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2019年第2回定例市議会 代表質問
1 市長の政治姿勢について
(1) さっぽろ未来創生プランについて
 私たちを取り巻く社会の変化はめまぐるしく、これまでの経験や予想を超えて次々と新しい状況が生まれている。その中で迎える秋元市政の2期目は、市制施行から100年にあたるとともに、次の100年に向けてのスタートとなる重要な4年間になると考える。
 国も人口減少対策と地方創生戦略を柱とした「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、札幌市は2015年、「安定した雇用を生み出す」「結婚・出産・子育てを支える環境づくり」を基本目標とする地方版総合戦略「さっぽろ未来創生プラン」を策定し取組を進めてきた。数値目標に掲げた合計特殊出生率と20代の道外転出超過数については、目標との乖離が大きいことについて、議会で指摘してきたところであり十分な検証が必要と感じている。また、人口減少社会への対応は一朝一夕に成果が出るものではないことは十分承知をしており、粘り強く継続的な取組が求められる最重要課題の一つであると考える。
 そこで、現プランが最終年度となることから、次期プランの検討が進められていると聞いているが、次期「さっぽろ未来創生プラン」策定に当たっての基本的な考えを伺う?

【答弁】
 最新の将来推計での人口は、2020年前後にピークを迎えた後に減少局面となり、2060年には40万人減の155万人になると見込んでおり、いよいよ人口減少は目前と認識している。現プランでは、人口減少の緩和を目指して、若者の地元定着と結婚・出産の希望をかなえる社会の実現を基本方針に捉え、様々な取組を行ってきたが、合計特殊出生率は低迷にとどまり、若者の道外流失がなお高止まりの状況である。市内大学生への調査結果からは、理系・文系問わず市内就職の希望がかなっていないことがうかがえ、市内・道内の就業・雇用環境になお課題があると考える。こうしたことから、次期プランの策定に当たっては、子育て世代への育児支援や経済的負担の軽減策などを充実・強化することはもとより、若年層をひきつける魅力的で質の高い雇用の創出が重要だと考える。


(2) 次期中期実施計画について

 次期中期実施計画は、本市の政策的な事業を盛り込むものであり、その中には巨額の事業費を要するものや、市民生活に大きく関わる事業も含まれるものと予想されるが、計画の策定段階から多くの市民と思いを共有し、広く市民に理解されることが大切であり、そのことが市民一人ひとりの市政への関心を高めることにつながるものと考える。
 市長は、新聞社のインタビューに「若い世代や大多数のサイレント・マジョリティーがまちづくりにどう関心を持ってもらうか仕掛けを考えます」と答えているが、次期中期実施計画の策定に当たり、市長のまちづくりの思いを市民とどのように共有し理解を得ていくのか伺う?

【答弁】
 将来に向けた、まちづくりの方向性については、次期中期実施計画の策定を通じて、札幌市と市民が思いを一つにし、共に紡ぐものであることが重要と認識している。前回の計画策定に当たっても、市民の考え方を把握するアンケートやパブリックコメントを実施してきたが、今回はまちづくりに関する課題の共有や若者の参加にも力を入れていく。
 具体的には、幅広い層の市民が参加するシンポジウムで公約に掲げた6つのまちづくりの柱をテーマに対話することで、まちづくりへの思いを共有していく。また、高校生や大学生、若手社会人を対象としたワークショップなどを通じて、明日を担う若い世代の市政への関心と理解を高めていく。


(3) 冬季オリンピック・パラリンピック招致について

 オリンピック・パラリンピックの賛否については、景気動向や施設整備などの在り方などで大きく左右される傾向にあるが、招致の意義や基礎となる考えなどについて、市民が共感することが重要であり、オリンピック・パラリンピックを契機に変わっていくまちの姿を「市民と一緒につくりあげる」「イメージを共有する」という姿勢を示し実践することが必要と考える。
 そこで、2030年大会の招致レースが始まろうとしている中、市長公約でもあるオリンピック・パラリンピック招致に向け、「市民とともに」という観点から、どのように取り組んでいくのか伺う?

【答弁】
 新たな開催概要計画案の検討状況を広く市民に知らせた上で、全市規模や区単位のワークショップなど、市民と対話する機会を設け市民が招致に対してどのような期待や懸念を抱いているかといった論点を明らかにしながら議論を深めていく。これらの取組により得られた市民の声を計画案に反映させ、その後も対話を継続して計画案を磨き上げていくことにより、共感の輪を広げながら市民と一体となった招致活動を進めていく。


(4) SDGsの推進について

 「持続可能な開発目標」(SDGs)は、「だれ一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すとして、2015年の国連サミットにおいて全会一致で採択された。2030年を年限として、17の国際目標と169のターゲット、232の指標が定められ、発展途上国のみならず、全ての国連加盟国が取り組むこととされ、自治体や地域が主体的に取り組むことにより、地域の課題解決や地方創生につながることが期待されている。
 17の目標は経済・社会・環境の3分野が不可分のものとして扱われ、地域の様々な分野の人的資源の交流による「人づくり」につながることが期待されていることから、多様な関係者、いわゆるステークホルダーとの連携が重要となっている。
 そこで、SDGsの推進に当たり、自治体間の連携はもちろん、住民、企業、教育・研究機関、NPO、NGOなどとの連携をどのように進めていくのか伺う?

【答弁】
 経済・社会・環境分野の課題の同時解決を目指すSDGsの推進に向けては、その理解を促進するほか、各分野の主役である市民や企業など多様な主体との連携が重要と認識している。このため、シンポジウムや若年層向けワークショップのほか、普及啓発に向けた映像作品コンテストなどを開催するとともに、北海道が立ち上げた推進ネットワークに参画し、企業、NPO、他の自治体などとの関わりも構築してきたところ。今後も、様々な主体と協働しSDGsの推進に向けた実践的な取組を進めていく


(5) 外国人市民との共生について

 今年4月に施工された出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法案の審議の過程では、外国人技能実習生が違法、不当な条件での労働や、けが、失踪、自殺などの事例や日本語習得の困難さや生活習慣のちがいなど様々な問題が浮き彫りになり、報道でも取り上げられた。直面する困りごとは、法律、行政、教育、福祉、医療など多方面にわたり、専門機関はもちろん、外国人市民と接点を持つ多くの民間団体との連携も必要である。市長は公約の中で、「外国人材も含めその技能や専門性を存分に発揮できる環境づくりを進め」「国籍や民族などによる差別の解消と人権尊重の取組を推進する」としている。どのような立場の外国人も「住民」であり、単なる労働者としてではなく外国人市民として受け入れることは、多文化共生社会を目指す札幌の未来につながるものと考える。
 そこで、札幌に住む外国人が日常生活を営む上で直面する問題に対処するための支援の在り方について、市長の基本的な考えを伺う?

【答弁】
 札幌の在留外国人は近年、東南アジアからの人々を中心に増加しており企業に就職する人や技能実習生の割合も高まるなど、これまでとは異なる傾向となっている。外国人は、言葉や生活習慣の違いに起因して様々な不安や不便を抱えがちであるが、在留期間が長期化することで、抱える問題も医療や教育、福祉など多岐にわたってくるものと認識している。こうした多様な問題にも総合的に対処できるよう関係機関や外国人を支える市民のグループはもとより、地域や企業などの受入期間とも連携して取り組んでいくことが重要である。札幌市では今後、多言語で対応する総合相談窓口の整備や地域などの受入機関とも連携して、多言語で対応する総合相談窓口の整備や地域における異文化理解の一層の推進に取り組んでいくが、こうした取組を通じて全ての外国人を孤立させることなく、ともに生活していく共生社会の実現を目指していく。


(6) 郊外住宅地のまちづくりについて

 都市計画マスタープランや立地適正化計画の策定、昨年にはこれら上位計画を踏まえて、具体の土地利用の考え方を示す「土地利用計画制度の運用方針」を改定するなど、様々な取組を進めていることは承知しているが、多世代で賑わう活気を取り戻し、安心して住み続けることが可能な生活環境を持続するには、より総合的な取組が求められる。
 そこで、郊外住宅地において多様な世代の居住を促し、持続可能な地域コミュニティの形成を目指すことは、これから都市計画の重要課題と考えるが、いかがか?また、土地利用計画制度などをより効果的に運用することで、持続可能なまちづくりを進めていくべきと考えますが市長の考えを伺う?

【答弁】
 今後、札幌市全体の人口が減少すると見込まれているが、特に開発時期の古い一部の郊外住宅地においては、人口減少のスピードが著しく速まることが想定される。そのような状況にあっても良好な地域コミュニティを維持、保全するため子どもからお年寄りまで安心して暮らし続けることができるまちづくりを進めることが重要な課題である。このため、例えば高齢化の進展によって需要が増加するバリアフリー住宅や多世代住宅など、1階部分の面積が広い住宅への建替えに対応していくため土地利用制限の緩和を予定している。また、郊外住宅地が抱える課題は多岐にわたることから、交通利便性の確保や地域のまちづくり活動への支援についても総合的に取り組み地域住民や民間事業者と協力しながら持続可能なまちづくりに取り組んでいく。
2 財政問題について
(1) 肉付予算の編成について
 市長は、「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」と「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」の実現を目指して、6つの重点政策を掲げている。これらの本格的な取組は、今年の秋ごろ策定予定の中期実施計画である「まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン」や来年度予算編成の中で明らかにされると思うが、本定例会に上程されている補正予算、いわゆる肉付予算は市長の思い描くまちづくりに向けた第一歩となる。
 限られた財源の中、最大限の効果を生み出すため事業の優先順位を明確にし、予算配分を重点化する必要があると考える
 そこで、肉付予算において特に力をいれた施策について、市長の考えを伺う?

【答弁】
 選挙期間中に約束した6つの重点施策のうち、早期に着手、または事業化の目途を付ける必要があるものを中心に計上した。特に、喫緊の課題となっている病院やホテルなどへの非常用電源設備設置への支援など俊の強靱化を始め、保育士支援や子ども医療費助成の拡大など子育て支援策、都心のリニューアルやインバウンドの受入環境整備など地域経済の活性化に意を用いた。さらに、冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けスポーツの力を活かしたまちづくりなど、まちの魅力と活力の向上に資する取組についてスピード感を持って対応していく。


(2) 持続可能な財政運営について

 生産年齢人口の減少は、札幌市の税収にも影響を及ぼすと考えられ、このままでは税収の大幅な増加を見込むことは難しく、今後も厳しい財政運営が続くと思われるが、選択と集中をしっかりと行い、人々を魅了してやまない街・札幌のさらなる飛躍を目指していくべきと考える。
 そこで、必要な事業に取り組みながらも、持続可能な財政運営を進めていくために、今後どのように取り組んでいくのか、市長の基本的な考え方を伺う?

【答弁】
 人口減少・超高齢社会という時代の転換点を迎え、今後は経済規模の縮小や市税収入の減少が懸念されるほか、医療・介護を始めとした社会保障費や老朽化した都市基盤の更新等の行政需要がさらに増加していくことが予想される。このような状況にあっても、誰もが安心して暮らしていけるまちづくりを実現し、次の世代に引き継ぐためには将来を見据えて中長期的な財政見通しを踏まえ不断の事務・事業の見直しや公共施設マネジメントによる市債残高のコントロールなどにより財政規律を維持しながらも、未来への投資を積極的に行っていくバランスの取れた財政運営を継続していく。
3 子ども施策について
(1) 子どもの権利を守る取組について
 子どもの貧困問題によって、子どもの学ぶ権利が十分に確保されていない現実を真摯に受け止め、子どもの権利条例施行10年を迎えた今、条例の目的に明記されている「子どもが毎日を生き生きと過ごし、自分らしく伸び伸びと成長・発達していくこと」を実現するため、大人から子どもまで、更には市民・行政・企業が子どもの権利および条例について、より深い理解と情報の共有を図ることが必要である。
 そこで、子どもの権利条例を生かしたまちづくりを実現するため、これまでの取組やその結果を踏まえ、今後に向けて子どもの権利の普及・浸透をどのように図っていくのか、伺う?

【答弁】
 これまでも条例の趣旨を踏まえ、市政やまちづくりへの子ども参加・意見表明の促進のほか、子どもの貧困、いじめなどの権利侵害への対応を通じて子どもの権利の推進に取り組んできた。子どもの権利の認知度に関して、これまでの調査では上昇傾向にあるが、比較的認知度の低い乳幼児の保護者には、妊娠期からの様々な機会を捉えた啓発活動を進めるなど、子どもの権利を尊重する意識の向上を図るため更に効果的な取組の工夫が必要と認識している。今年度は条例施行から10年を経過し、「第3次子どもの権利に関する推進計画」を策定することとしており、子どもの年齢や生活の状況に応じた普及・啓発と併せ、子どもの権利保障に向けた実効性のある施策を展開し、条例理念のより一層の普及に努めていく。


(2) 児童虐待の防止に向けた取組について

 全国的に児童虐待が深刻化し、国が作成した「児童虐待対策防止の強化に向けた緊急総合対策」の徹底が急がれる中、今月5日、札幌市において2歳女児が実母およびその交際者からの身体的虐待及びネグレクトによって衰弱死する大変痛ましい事件が発生した。
 今回の事件を受け、6月10日に町田副市長を本部長とする「札幌市児童虐待防止緊急対策本部」を立ち上げたが、幌市として、通告後の対応について検証し問題点を明確にし、今後の児童虐待防止につなげていくことはもちろんであるが、事件を児童相談所だけの問題として終わらせるのではなく、「二度とこのような痛ましい事件を起こさない」という共通認識を全職員が持ち、全庁的な取組を進めていかなければならない。
 今回の事件では、子どもの発する「助けて」のサインを十分に受け止めるためには、児童相談所だけではなく、警察や学校、保育所、町内会など、地域全体で取り組む必要がある。地域との接点が極めて少ない世帯の状況をどのように把握し介入していくのか、大きな課題である。
 そこで、第3次児童相談体制強化プランの策定にあたり、今回の痛ましい事件で浮き彫りになった問題点、今般の法改正に向けた動きを踏まえ、どのように児童虐待防止対策に取り組んでいくのか伺う?

【答弁】
 今回の事案においては、児童相談所などでの虐待リスクの48時間以内の安全確認など、本来行うべき基本的なルールの徹底と関係機関相互の情報共有が十分でなかったと認識している。このことから、乳幼児検診未受診者の再点検や移動相談所における虐待対応の進捗管理の徹底など早急に行い、今回の事案検証で明らかになった課題や今般の法改正を踏まえ体制強化に加え関係機関の情報連携の見直しなどを新たな強化プランに盛り込み、二度とこのような痛ましいことを起こさないよう全庁一丸となって取り組んでいく。


(3) 保育人材確保と保育士の処遇改善について

 2019年4月1日現在の待機児童の状況によると、いわゆる国定義の待機児童は2年連続でゼロになったものの、「特定の保育所等のみを希望している」などの「潜在的待機児童数」は1,947人と依然として多く、保護者のニーズに応えきれていない状況となっている。
 待機児童解消に向けて、昨年度は保育定員1,473人分増とした。しかし、実際の入所児童数は昨年度比820人増と、定員増ほどは入所児童数が増えていない状況であるが、その要因の一つに保育士不足が挙げられる。子どもの人間形成を担うという、何にも代えがたいやりがいがある一方で、人材不足による多忙化、子どもの命を預かるという責任の重さや子どもたちを取り巻く環境が厳しさを増していく中で、保育士という職業を選択した人たちが意欲を持って働き続けられる環境づくりが必要と考える。
 そこで、この度の補正予算で、保育士確保対策が十分に対応できるという認識であるのか。保育人材が将来にわたって自信と誇りを持って、保育に携わっていくことができるよう、中・長期的な取組が必要ではないかと考えるが、いかがか伺う?

【答弁】
 保育人材の確保が喫緊の課題であるとの認識に立ち早期に着手する必要がある取組を盛り込んだ。一方で、保育を担う人材がより長く保育の現場で働き続けるためには、一層働きやすい職場環境づくりに継続して取り組んでいく必要がある。具体的には、管理・監督者の組織マネージメントの向上や、職場のコミュニケーションの充実に向けた取組、相談窓口の拡充など職場環境の整備に資する施策について次期中期実施計画に向けて検討していく。


(4) 子ども医療費助成事業について

 6年生までの拡大には、2段階の工程を経て約2年を要することとなり、今次補正予算に示されたシステム改修では一気に6年生までの拡大はできないのか、どのような工程を経て拡大されるのか明らかにすべきと考える。
 そこで、今回の拡大にあたり、どのような考え方でスケジュールを組み立てたのか伺う?
 また、今回は公約どおり小学6年生までの拡大であるが、市民の中には「中学生まで拡大しないのか」と思う方もいるのではないかと考えるが、現時点で、中学生以上の更なる拡充についてどのように考えているのか、併せて伺う?

【答弁】
 この事業に対する市民の期待は非常に大きく、できるだけ早期に実現したいとの思いから、次の中期実施計画を待たずに道筋を示した。この拡大を円滑に混乱なく進めるためには、現在、加入している健康保険の登録データがない小学4年生から6年生までの数万人分の新規登録を処理しなければならず、電算システムの改修や準備期間を考慮した結果、拡大実施は令和3年度からとせざるを得ないと判断した。ただし、小学3年生への拡大については、既に加入している健康保険の登録データのある2年生の資格をそのまま延長するシステム改修だけで対応できることから、1年前倒しの令和2年度から実施することとした。年齢拡大については、今後の検討課題と認識しているが、まずは公約に掲げた小学6年生までの拡大をしっかり取り組んでいく。
4 加害者への対応を含むDV対策について
 警察庁の公表によれば、今、日本では4日に一人の女性が配偶者によって殺されており、1週間に一人の子どもが虐待で命を落とし、性被害を受けた10人の内6人の女性は、誰にも相談できていないとの報告がなされている。DV被害者への支援については、2001年に配偶者暴力防止法が施行されて以降、配偶者暴力相談支援センターの設置、被害者からの相談受理、一時保護、自立支援などの被害者に対する支援と理解が進んでおり、行政と民間が協力して取り組んでいる。
 DVを根絶するためには、被害者にも加害者にもならないという予防啓発が大切であるとともに、被害者支援の一環として、加害者への直接のアプローチも重要であると考える。
 加害者対策については、全国では民間レベルによる取組みがなされており、また、札幌市内でも民間団体による加害者更生プログラムを含む加害者対策の取組が行われている。
 今後は、国からの指示をただ待つのではなく、すでに地域で取組を行っている民間団体等との連携などを図り、DV被害者支援としての加害者対策に早期に取り組んでいく必要があると考える。
 そこで、加害者への対応を含むDV対策についての札幌市の認識と、今後の取組について伺う?
【答弁】
 DV対策において最優先すべきは被害者の安全・安心の確保であり、相談支援体制の充実及び予防啓発を行っている。加害者への対応については、被害者の安全・安心を高めDVの再発防止につながる支援の一つとなり得るものと認識している。札幌市としてはDVによる被害を未然に防ぎ加害者にもさせないための啓発活動として、若年層に向けデートDV防止講座を実施しており今後もこれを継続していく予定である。また、加害者対策に関する国の調査研究を注視するとともに、民間の取組状況を踏まえ、相談員研修に加害者心理の視点も取り入れるなど新たな取組を進めていく。
5 誰もが歩いて暮らせるまちづくりについて
(1) 都心部の地下歩道について
 「札幌駅交流拠点まちづくり計画」に基づき、新幹線駅、在来線駅、南北線駅、東豊線駅など複数層にまたがる交通施設を円滑につなぐことが重要である。また、建物間で相互に連携しながら誰にでも分かりやすく、バリアフリーに配慮した歩行者動線が整備される計画であると聞いている。一方でこの計画を推進するためには、エリア全体の歩行者移動経路を俯瞰し、エレベーターやエスカレーターを適切に配置することをはじめ、既存地下施設との接続箇所において床レベルを調整して平滑性の確保を図るなど、官民一体となってバリアフリー化された歩行者ネットワークの構築を進めることが極めて重要であると考える。
 そこで、都心部における再開発が進む中で、地下歩道ネットワークのさらなる充実に向け、どのように取り組んでいくのか、伺う?
【答弁】
 再開発にあわせて地下歩道を公民連携で創出することを目指し、学識経験者や民間事業者からなる検討会を立ち上げ今年度末に基本方針をとりまとめる。この方針に基づき、開発事業者や地域関係者等と連携し、地下歩行ネットワークの将来形を見据えた、接続位置の調整や容積緩和などのインセンティブの付与による整備の機運醸成といった具体的な検討を進めていく。


(2) バリアフリー化の推進について
札幌市は、超高齢社会を迎え、今後もより高齢化が見込まれる中で、高齢者や障がいのある方でも自由に移動でき、豊かな生活を送れる環境を整備することが重要であり、安全で快適に移動できる空間の整備をもっと進めるべきであると考える。
 そこで、バリアフリー化の更なる推進に向け、具体的にどのように取り組んでいくのか、伺う?
【答弁】
 これまで、歩道の勾配緩和や点字ブロックの設置に加え地下鉄全駅へのエレベーター設置など、道路や旅客施設等のバリアフリー化を鋭意進めてきた。今後は、例えば目的によっては地下鉄改札口から迂回を余技される箇所にエレベーターを増設することに加えて、重点的にバリアフリー整備を進める交通結節点や整備路線の拡充など更なる充実に取り組んでいく。


6 脱炭素社会に向けた取組について
(1) 現状における温暖化対策の課題について
 1点目は、現状における温暖化対策の課題について伺う。
 近年、地球温暖化防止のため、脱炭素社会に向けた動きが世界的に加速している。2015年にパリ協定が採択され、今世紀末における世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比較して2℃未満に抑えるという長期目標と、可能な限り1.5℃未満に抑えるという努力目標が示された。ここ数年、大雨や猛暑などの異常気象が頻繁に観測されるようになっているが、気象庁などの研究によると、気温上昇をパリ協定の努力目標である1.5℃未満に抑えられたとしても、日本国内での猛暑日の年間発生回数は、今世紀末には現在の1.4倍となると推計されている。札幌市では2015年に「札幌市温暖化対策推進計画」を策定し、2030年の中期目標として、1990年比でCO2排出量を25%削減することを掲げているが、2016年の最新値をみると30%近い増加と非常に厳しい状況であり、目標達成に向けてより一層の取組が必要であると考える。
 そこで、現状における温暖化対策の課題について、どのように認識しているのか伺う?
【答弁】
 温室効果ガス排出量は2012年をピークに減少しているが計画の目標達成には更なる努力が必要である。中でも、再生可能エネルギーの積極的な導入拡大に加え、エネルギー消費量が大きく、更新サイクルが長い住宅や建築物の高断熱・高気密化を更に進めていくことが課題である。

(2) 温暖化対策推進計画改定に当たっての考えについて

 2点目は、温暖化対策推進計画改定に当たっての考えについて伺う。
 脱炭素化に向けた環境やエネルギーに関する様々な技術は、社会にも大きな影響を与え、我々の生活を大きく変革する可能性を秘めている。また、関連する産業の振興など、市民や企業にプラスの経済効果を与えることも期待されている。札幌市が持続可能なまちづくりを目指すに当たって、今後の環境やエネルギーに関する政策は、札幌市が抱える様々な課題解決の糸口になりえるものと考える。
 そこで、脱炭素社会の構築に向け温暖化対策推進計画改定に当たってはどのような考えのもとに進めていくのか伺う?
【答弁】
 今後の温暖化対策においては、将来的な脱炭素社会の実現を見据えて温室効果ガス排出量の更なる削減が必要であり、温暖化対策を進める際には環境分野における効果のみならず関連する産業の振興や、エネルギーの自立による防災力の強化など、経済、社会、生活といった他の分野の効果も同時に実現していく視点が重要なことから、計画の改定に当たっては、こうした視点を持ちながら幅広くかつ効果的な施策の検討を行っていく。
7 若年層の雇用創出に向けた企業誘致と産業の育成について
(1) 企業誘致の成果と今後の取組について
若年層が道外に流出しないように、札幌で働いて暮らしていける環境を整備していくことが必要であり、そのために札幌市は魅力ある就職先を積極的に誘致し、若年層の働く場をより多く確保すべきと考える。
 そこで、若年層に質の高い雇用を提供するという観点から、これまでにおける企業誘致に係る成果についてどのように認識しているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
【答弁】
 直近の5年間において、市内に誘致した企業数は62社に及び7,とりわけIT分野の企業についてはそのうち35社を占めるなど、大学新卒者の就職志望が高い企業の誘致を実現してきたことから、若年層の道外流失防止に対して一定の成果があったものと認識している。今後は、この4月に拡充した本社機能やIT企業等誘致のための補助制度を進出を検討する企業に十分に活用してもらえるよう展示会への出展や東京事務所による企業訪問を通じて積極的にPRを行うことにより、質の高い雇用の更なる創出を図っていく。

(2) 産業の育成について

札幌市がこれらの分野をけん引できるよう、積極的に施策を推進して若年層、特に数多く道外へ流出している理系人材をつなぎ止め、さらには市外からも人材を呼び込めるよう尽力すべきである。
 そこで、今後の若年層の雇用創出に向けた産業の育成にどのように取り組んでいくのか、伺う?
【答弁】
 若者の雇用創出が期待できる「健康医療・福祉」、「IT・クリエイティブ」分野については、これまでも企業と大学などとの共同研究に対する補助や、先端技術であるAI技術者を育成するプログラムの実施など積極的な支援を行ってきた。これらの重点分野では、新たに先端医療関連の事業を促進していくほか、AI等の開発を行う企業の営業力強化を支援することで、企業の増加や規模の拡大を図り若者の雇用の創出に資する産業の育成に取り組んでいく。
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2011/3/25 15:00現在の状況について
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