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第1回定例市議会 民主党・市民連合代表質問ダイジェスト
1 市長就任後10年の成果と、今後の市民が主役のまちづくりについて
【質問】
 上田市政は今年6月8日で10年目を迎える。最初の所信表明演説では「市役所が変われば、市民も変わる。一人一人の市民が主役として輝く、そんな街・札幌にしたい」とも述べている。まさに、市役所職員の意識改革と、市民との対話を重視した市政運営、そうした取組を通じ市長就任から10年経ったいま、その成果が具体的に現れてきている。
2005年度の敬老パスの見直しでは、「制度存続のためには見直しが必要」と訴え、「利用上限額の設定、利用額の選択に応じた自己負担」等を柱とする制度に変更した。それに至る過程では市民アンケートや説明会、市民集会、議会議論が積み重ねたことが、行政コストと市民負担・自己負担の関係を意識するきっかけとなったと考える。2009年度の「新たなゴミ分別ルールと家庭ごみの一部有料化」についても、「2,700回にもおよぶ地域住民との対話を積み重ねる中で、当初目標を大きく上回る廃棄ごみの減量化が実現できた。
 そこで、この間一貫して職員の意識改革と対話型の市政運営に取り組んでこられたことを踏まえ、この10年間の市民自治の取組成果をどのように評価しているのか?


【答弁】
 札幌市は、急速に進む少子高齢化や経済・雇用情勢が依然として厳しい状況の中にあり、将来への展望を描くことが難しい、非常に困難な時代を迎えている。こうした時代だからこそ、札幌の未来を切り開いていくため、私は就任以来、一貫して「人を大事にすること」を原点に、「市民自治」と「市民のための市役所づくり」を基本的方向として市政を運営してきた。まずは、「市民のために、挑戦する市役所」を目指し、市民サービスの改革やコミュニケーションの改革など、さまざまな取組を実施してきたことにより、職員の意識改革は着実に進んできていると考えている。  また、対話型の市政運営を推進するため、市民負担を伴うものも含め、さまざまな政策決定過程において、必要な情報を分かりやすく提供した上で、市民参加の機会を確保し、市民議論を尽くしてきたところ。こうした10年間の取組により、私が掲げる「市民自治が息づくまちづくり」の理念は、札幌市民にしっかりと根付き、受け入れられていると実感している。

【質問】
 市長は、2年前の東日本大震災の際、「日常的に地域で支えあう、地域で助け合う、地域の絆、地域力」が重要であると強調してきた。10年前に比べると、各地域では非常に多くの活動分野、組織やネットワークが生まれている。しかし、同じ人がいくつもの任務を担っているという実態があるのも否めない。既存の、また、新たに生まれてくる様々な活動母体、人的資源をつなぎ、より活性化させて市民が主役の街づくりへ発展させていくことが、地域のまちづくりに必要だと考える。
そこで、市民が行動し、身近な地域課題を解決する、いわゆる「地域力」を高めるために、今後、どのように『市民が主役』のまちづくりを進めていくのか?


【答弁】
 超高齢社会の到来により、今後ますます身近な住民同士のつながりを深めることが求められるため、地域課題を自ら解決する「地域力」を高めていくことが必要であると認識している。そこで、今議会で提案した「札幌市まちづくり戦略ビジョン(案)」においては、市民一人一人の参画と多様な主体によるネットワークの推進を基本姿勢として掲げたところ。今後の取組に当たりましては、地域での支え合いとつながりを作るためのネットワークを構築するとともに、さまざまな担い手が地域のまちづくり活動に参加できる環境を整え、地域課題の解決に向けた取組を支援することにより、「地域力」を高めながら、引き続き「市民が主役のまちづくり」を積極的に進めてまいりたいと考えている。
2 財政問題について
【質問】
 2013年度予算編成にあたって、、第3次新まちづくり計画の目標達成に向けた取組を加速させるとともに、札幌市まちづくり戦略ビジョンのビジョン編に盛り込んだ、「中長期的なまちづくりに資する事業」についても計画ができあがるまで待つということではなく、できることから予算化していくとの方針を示した。このような中、昨年12月に政権交代があり、地方の自由度が比較的高かった地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金が廃止となり、従前のいわゆるヒモ付き補助金に戻るなど、これまで進められてきた地域主権の後退すら危惧される状況となった。
そこで、市長が積極的に予算化を図るとしていた「まちづくり戦略ビジョン」の関連など、2013年度予算編成の基本的な考え方を伺う?


【答弁】
 平成25年度予算は、第3次新まちづくり計画の取組を加速させるとともに、「まちづくり戦略ビジョン」で戦略的に取り組むこととしているテーマである“暮らし・コミュニティ”、“産業・活力”、“低炭素社会・エネルギー転換”を念頭に、「新たな創成期に向けた未来志向型予算」として、地域の保健福祉体制の強化、特区を活かした産業の高度化、さらには、エネルギー転換の取組など、将来の札幌のまちづくりを見据えた事業に意を用いたところ。また、国の緊急経済対策を活用した今回の1定補正と一体的に編成することにより、道路・橋りょうの耐震化や、地域の避難場所における防災機能の向上など、喫緊の課題である地域防災力の強化や地域経済の活性化に資する事業にも積極的に取り組むこととしたところ

【質問】
 2013年度の一般会計予算額は、補正予算における地域経済対策分を含めた実質的な比較では対前年度比1.2%の増となる積極型予算であるにも関わらず、財政調整基金の取崩し額を11億円にとどめるとともに、全会計の市債残高が10年連続で減少するなど将来世代に責任を果たす未来を志向した予算になっているものと考える。しかし、今回の国の補正予算への対応や地方交付税の振り替わりである臨時財政対策債の増などによって、一般会計の市債残高は増加の見込みであること、また、生活保護費や障がい福祉費や、国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療各会計への繰出金が引き続き増加する見込みであることなど、札幌市の財政状況はさらに厳しさを増していくのではないかと懸念している。
そこで、市長は今後の財政運営をどのように行っていこうとしているのか伺う?


【答弁】
 今後、中長期的に見ても厳しい財政状況が続くものと見込んでおり、将来にわたって質の高い行政サービスを確保するためには、持続可能な財政構造を確立することが必要と認識している。そのため、市債や基金をバランスよく活用しつつも、効果が持続する取組を中心として、行財政改革推進プランの取組を着実に進めることが不可欠と考えている。  臨時財政対策債の増大など、地方財政制度が不透明感を増す中にあっては、特に、市税を中心とした自主財源の確保など、財政基盤の強化が必要であり、25年度予算についても、創造都市の推進や観光客誘致の強化、さらには民間開発の促進といった税源涵養に資する取組を積極的に盛り込んだところ。
3 まちづくり戦略ビジョンについて
【質問】
 まちづくり戦略ビジョンは約2年にわたる検討を経て、このたびの定例会にビジョン編が上程された。このビジョンは、市民と共有できることが特徴の一つとして挙げられており、1万人市民アンケートに始まり、1,000人ワールドカフェ、将来の札幌を考える市民会議、さらには、様々な形でのワークショップなど、数多くの市民参加事業を実施してきた。また、経済団体や連合町内会長など、まちづくりの担い手とも積極的に対話を重ね、さらに、パブリックコメントにおいては、特に小中学生を対象としたキッズコメントで1,233名から2,000件を超える意見の提出があった。
そこで、これほどの多くの市民参加や対話を経ながら作り上げてきたことについて、市長としてどのように評価しているのか?


【答弁】
 まちづくり戦略ビジョンは、平成18年に自治基本条例が制定されて以来、これに基づいてはじめて策定される長期総合計画である。この条例では、市が総合計画を策定するに当たっては、広く市民の参加を得るものとされていることから、さまざまな市民参加の機会を設け、多くのご意見をいただいたところ。また、議会においても、機会あるごとに報告させていただき、その中で頂戴したさまざまな貴重なご意見をビジョンの策定に反映してきたところ。  こうした過程を経てまちづくり戦略ビジョンを完成させたことは、自治基本条例に掲げる「市民が主役のまちづくり」という基本理念を具現化したものであるとともに、今後このビジョンに掲げるまちづくりを進めていくに当たり、さまざまな実施主体が自らの役割について、共通の認識を持つうえでの土台を作り上げることができたものと考えている

【質問】
 生産年齢人口の減少に伴う経済規模の縮小、さらには原発事故をきっかけとしたエネルギー利用の転換など、札幌市においても社会経済情勢に大きな変化が見込まれる。まちづくり戦略ビジョンでは、今後10年間で取り組むべきテーマとして「暮らし・コミュニティ」、「産業・活力」、「低炭素社会・エネルギー転換」を掲げられている。
そこで、これからの時代において想定される人口減少や、経済規模の縮小など、困難な局面に対応するために、今後、戦略ビジョンに掲げるこれらの3つのテーマをいかに加速させていこうとしているのか?


【答弁】
 人口減少や経済規模の縮小などの今後の社会経済情勢の変化に対応しながら、持続可能なまちづくりを進めるためには、こうした課題を的確に見定めたうえで、経営資源を集中的に投下するなど、「選択と集中」により、戦略的なまちづくりを進めていくことが求められている。このため、平成25年度予算においては、第3次新まちづくり計画事業に加え、ビジョンに位置付けられた重点戦略である3つのテーマに関する事業を積極的に追加するとともに、これを推進するための組織体制も充実させたところ。今後とも、重点戦略として位置づけられた3つのテーマについては、予算の重点化を図るとともに、エネルギーや、観光などの課題について、早期に部門別計画を策定するなど、その取組を加速してまいりたい。
4 北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の推進について
【質問】
 2011年12月に総合特別区域として指定を受けた「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」は、食産業の国際競争力の強化を通じてアジアにおける研究開発・輸出拠点化を目指しており、この推進が札幌・北海道における外需獲得につながるものと考えている。特区指定から約1年が経過し、市内企業が特区の税制支援措置を活用し海外ニーズに対応した商品開発や販路拡大を図るため設備投資を実施するなど、輸出拡大を目指した取組が具体化し始めている。また、食・バイオ関連企業の集積を図るためエレクトロニクスセンターの改修に着手するなど企業集積の環境整備が進み高度な研究拠点が集積しつつある。
そこで、フード特区の取組を更に発展させるため、札幌市では今後どのような取組を展開していくのか?


【答弁】
 フード特区全体としては、今後、輸出拡大に直接寄与する事業に重点を置くこととしており、市内企業がこれに合わせた取組を展開できるよう、札幌市としても新たな事業を実施する。一つは、生産能力の増強に向け、企業の設備投資意欲を高めることをねらった利子助成制度で、特区による国の利子補給措置と併用できれば、実質無利子での借入れも可能となる。もう一つは、輸出の増加を図るため、既存の商品に海外市場のニーズを盛り込んだ、輸出向けの商品づくりを支援する補助制度である。  既に、市内企業においては、製造方法や鮮度保持技術の改良による賞味期限延長の取組が進んでおり、今後の輸出拡大が期待される。既存の事業に、これらの新規事業を加えた一連の支援により、輸出拡大に向けた取組を加速させ、食関連産業全体の売上げ増加を図りたい。

【質問】
 これまで食品の機能性の表示については、食品衛生法や健康増進法などにより、特定保健用食品、通称「トクホ」において限定的に認められてきたが、申請にあたっての検査や手続きなどに膨大な時間と費用を必要とし、また、申請しても認められないことも多いことから、中小企業がこれを活用することは極めて困難であった。この度、フード特区における規制の特例措置の協議により、商品のパッケージに食品の機能性に関する科学的研究が行われている旨の事実を表示することが可能となったことから、北海道を中心に認証制度の創設に向けて、その制度設計に取り組んでおり、札幌の食・バイオ関連産業にとって大きな一歩である。
そこで、札幌市では新たな機能性の認証制度創設を、食・バイオ関連産業の振興にどのように活用していくつもりか?


【答弁】
 この制度により、機能性のPRが可能となることで、企業においては、機能性を証明する科学的データ取得の意欲が高まるものと考えている。そこで、今年度より開始した研究開発の補助事業も利用いただき、認証制度の積極的な活用を促すことにより、食品製造業のみならず、機能性素材の研究開発やその分析・評価を行うバイオ関連産業全体の活性化にもつなげたい。  また、この認証制度については、本州の大手製造業からも問合せが寄せられるなど、全国から注目されている。この機会を最大限に活用し、トップセールスも交えて、製造工場のみならず研究開発部門も含めた企業誘致を積極的に進める。

5 指定管理者制度について
【質問】
 指定管理者制度には、その指定に期間の定めがあることから、団体の経営や従業員の雇用の不安定さにもつながっているとの声も挙がっている。さらに、札幌市の経済が中小企業で支えられている現状や、現在の地域経済の状況を鑑みて地元企業の受注機会の確保や育成支援、そして雇用の安定化をもたらすものと考えられることから、次回の指定管理者の一斉更新に向けては、これらの工夫・取組をしっかりと実現するよう期待をしている。
そこで、今回の新たな取組の検討にあたって、取組項目の選定など、どのような考え方を持って行なったのか?


【答弁】
 指定管理者制度の目的である市民サービスの向上と効率的な施設運営という観点からは、一定の成果があったと認識している。一方、平成22年度の一斉更新後の状況を見ると、指定管理者における人材の確保・育成や中長期的な視点からの施設運営の実現、地元企業への配慮、雇用の安定化と賃金水準の向上などの課題が議会などから指摘されているほか、公契約条例や暴力団の排除の推進に関する条例を議会に提案しているところ。このため、次回の一斉更新に向けては、現在の制度運用の維持を基本としつつ、これらの課題などを踏まえ、取組内容を検討してきたところであり、今後も、良好な施設サービスの提供に努めてまいりたい。

【質問】
 指定管理者制度においては、指定管理者を幅広く求める観点から公募を原則としているが、施設の態様によっては非公募も認められている。現在、公募である施設の中にも、施設を利用する住民との信頼関係維持や長期的な視点に立った継続的な事業運営、人材育成の必要性など、良質で安定的な施設サービスを継続して提供するためには、施設よっては非公募により指定管理者を選定するということが選択肢に入る施設もある。
そこで、次回の一斉更新における公募・非公募の取り扱いについて、どのような考え方で行うのか?


【答弁】
 前回の一斉更新時において、施設利用者との継続的な信頼関係や、長期的視野に立った継続的な事業運営が必要な場合など、非公募にできる要件を具体的に整理したところ。今回の公募・非公募の取扱いについては、その後の施設の機能や位置づけの変更、社会情勢の変化、さらには、これまで管理運営してきた状況も踏まえて、柔軟に判断すべきものと認識している。

6 障がい者福祉施策について
【質問】
 重度訪問介護は、重度の身体障がいのある方が、地域で自立した生活を営むうえで欠かすことのできないサービスの一つである。重度訪問介護の利用時間数については、札幌市では脳性麻痺や進行性筋萎縮症で最重度の障がいのある2つの類型に限定して1日あたり24時間、月720時間の介護を実現しているが、それ以外の方は、単身生活であっても最大で1日あたり11時間、月330時間までしか認められていなかった。2013年度予算案において、月720時間と330時間の間に、新たに月540時間と450時間という利用時間数を設定する考えが示されたことは、日々様々な困難を感じながら暮らしている利用者にとっては大変喜ばしいことである。
そこで、今回の重度訪問介護の利用時間数の拡大により、重度障がい者の暮らしについて、どのような充実を目指すのか伺う?


【答弁】
 重度障がい者の暮らし方の選択の幅を広げ、自立生活を一層促進するとともに、家族もいきいきとした生活を実現するため、制度の充実を図るもの。例えば、重症心身障がい者など継続的な介護や見守りの必要性が特に高い方は、必ずしも自分や介護するご家族の生活リズムではなく、他の障害福祉サービスの空き状況などに応じて生活を組み立てる必要があったが、支給時間数を延長することにより、より一人ひとりのライフスタイルに合わせた暮らしを営むことができるようになると考えている。また、支給時間数を見直すことにより、介護しているご家族の負担も軽減され、安心な家族生活を支えてまいりたい。

【質問】
 障がい児(者)医療・福祉複合施設については、2013年度予算案には、15億9千万円の整備にかかる予算が計上されている。複合施設の核となる児童心療センターについて、今回の医師退職問題を契機に、児童心療センターを含めた札幌市全体の児童精神医療のあり方について検討を行う事業も予算計上されている。医師退職問題については、内部の人事異動により常勤医師を確保したとの報道があった。引き続き専門医師の確保に努力し、利用するする方々に安心していただける診療体制を構築すべきである。また、今後のあり方を検討するにあたっては、病棟存続を前提としながら、安定的な運営体制の構築を進めるべきと考える。
そこで、児童心療センター等のあり方を検討するにあたり、その目的、方法及び想定される検討課題など、具体的にどのように進める考えか?


【答弁】
 児童心療センターについては、昭和48年に旧静療院児童部として開設以来、児童精神科にかかる北海道内のパイオニア的な存在として大きな役割を果たしている。平成24年4月からは、医療と福祉の連携をより強化することを目的に、病院局から保健福祉局に移管したもの。  一方、今回の医師退職を契機として、児童精神科医の安定的な供給など、児童心療センター運営に関して様々な課題が顕在化してきたのも事実。これらの課題について、札幌市全体の児童精神医療のあるべき姿を見据えながら、今後の児童心療センターのあり方や方向性を整理し、併せて安定的な病院運営体制を構築していく必要がある。北海道大学からも、これを機とし、児童心療センターのあり方を検討すべきとご助言をいただいた。  検討手法としては、来月、札幌市精神保健福祉審議会に諮問する予定している。北海道大学や札幌医科大学からも、あり方検討については協力するという申し出もいただいている。審議会内に、これらの大学の医師に加え、民間医療機関の医師、学識経験者等による検討部会を設け、札幌市全体の児童精神医療のあるべき姿、それを実現するための札幌市や児童心療センターの役割、民間医療機関との役割分担等の検討をしていただき、今年秋ごろには一定の結論を得たいと考えている。
7 保健師による地域保健活動の推進について
【質問】
 誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らし続けられるように、市民の最も身近なところで市民の健康を支えることが保健師の重要な役割と考える。2011年の厚生労働省統計によると、全国で働く保健師は約3万2千人で年々増加傾向にある。札幌市役所においては、現在約200人の保健師が配置されており、2013年度には退職者の補充も含めて、過去最高の20人の採用を予定している。しかし、厚生労働省の「保健師の標準的配置数の基準」では約270人が必要とされている。 2013年度の予算編成においては、「地域保健活動推進事業」が新規事業として計上しており、個別支援の充実、地区の健康課題の分析、関係者との連携強化などに取り組むことになっている。さらに、先行地区には保健師の増員も図られるなど、地域保健活動をより一層推進する姿勢が示されたものとして、高く評価している。
そこで、2013年度の先行地区において、保健師による地域保健活動は、どのような体制で進めるのか?2014年度以降の事業の展開方法や、将来的にどのような効果を期待しているのか?今後、保健師の増員についてはどのように考えているのか?


【答弁】

 平成25年度は、東区、清田区、西区の3区において、保健福祉課及び健康・子ども課の両課に地区担当保健師をそれぞれ1名ずつ増員配置し、地域へ出向く活動に専任で取り組むことができる体制を整える。先行地区担当の2名の保健師は、所属は異なるが、概ね人口2万人規模のまちづくりセンターの区域を、日常的に連携を図りながら2人で共に担当し、対象者を年齢で区切らず、赤ちゃんから高齢者まで一環した支援を行う、いわゆる「地区分担制」のもとで活動する。
 また、地区担当保健師は、地域福祉活動を担当する保健福祉課職員と一体となって、地域の活動を支援するチームを構成する一方、保健福祉課課長職として兼務発令されるまちづくりセンター所長との連携も密にしながら、区役所全体で、地域の保健福祉活動を組織的にサポートする体制を整えることとしている。
 今後の事業の展開としては、平成27年度までの3年間で先行地区を全区に拡大する。将来的には、区保健福祉部の体制を整備しながら、先行地区での実績やノウハウを踏まえて、全市的に展開してまいりたい。期待される効果としては、積極的かつ継続的に担当地区へ出向いて町内会や民生児童委員、福祉のまち推進センターなどの関係者や、地域の医療機関等と顔の見える関係を築く中から、
@地域の中で支援を必要とする要援護者を早期に把握し、適切な支援に結びつける等、個別支援の充実強化が図られることA地域における見守り等の支え合い活動が進展することB地域の健康面に関する課題の解決等につながること等を想定している。このような取組は、短期間ですぐに効果が現れるものではないが、地域の保健・医療・福祉のネットワークが強固になっていくことから、地域の福祉力が向上し、安心して暮らせる地域社会の実現につながっていくと考える。
 地域保健や福祉の推進に当たっては、地域包括支援センター等の関係機関で働く専門職との連携が重要であり、そのコーディネートを担う行政の保健師も欠かせないことから、平成25年度は、新規採用予定者を大幅に増員したところ。また、保健師職としては初めて「職務経験者の採用選考試験」も実施する等、人材の確保に努めている。今後とも、先行地区での成果や実績等を踏まえながら、事業実施に必要な保健師の計画的な配置に努めていく。

8 子育て支援施策について
【質問】
 札幌市は、2004年度から小学校区に1カ所の設置を目指し、地域の関係者の協力による子育てサロンの整備を進めてきた。その結果、今年1月末現在184か所で、町内会や民生委員・児童委員協議会、福祉のまち推進センターや地域のボランティアなどが運営に参加した地域主体の子育てサロンが開設されている。しかし、長年の運営の中で遊具や敷物などの更新や、会場使用料の費用などの負担が相当に苦しくなっている団体もあり、子育てサロンの担い手不足など運営の継続自体に不安があるとの声も出されている。核家族化、少子化により地域におけるつながりが希薄化している中、地域社会の活性化からも行政として地域主体の子育てサロンの運営を支援していくことが必要であると考える。
 一方で、常時介護を要する障がいのある方が生活をしていく上で必要不可欠となる部分に関する支援のあり方については、法施行後3年を目途として検討することとされている。


【答弁】
 地域主体の子育てサロンは、地域の方々の世代を超えた交流の中で、子育て家庭の孤立化や不安を解消し、安心して子育てできる環境を創る、札幌市の子育て支援を支える柱であると認識。
○このため、子育てサロンの運営が継続され充実していくことが重要である。平成25年度予算では、この点を考慮し、基本となる地域主体の子育てサロンへの運営補助の拡充を図った。今後も、地域に根ざした子育てサロンの円滑な運営や拡大に向けた支援を行う。

【質問】
 札幌市では、2010年度から私立幼稚園での要支援児の受入体制を整えるため、受入人数に応じて教諭人件費の一部を補助する「特別支援教育補助事業」をスタートさせた。適切な教育水準のもとで、要支援児と健常児とが共に学び育っていく環境を整えるためにも、学びの機会を望む保護者の期待に応えるためにも、積極的に要支援児を受け入れている私立幼稚園に対しては、更なる財政的支援が必要ではないかと考える。特に今年度末には市立幼稚園3園が閉園となることから、2013年度は私立幼稚園での一層の受入拡大を図るうえでも契機となる年である。
そこで、特別支援教育補助事業について、私立幼稚園での受入体制の強化に向けて、どのように考えているのか?


【答弁】
 「私立幼稚園特別支援教育補助事業」は、札幌市全体における要支援児の幼児教育の水準を維持するとともに、私立幼稚園での受入促進のために有効な事業と認識している。平成25年度予算においては、要支援児の増加を見込んだことに加え、受入人数が16人以上の園に対して、教諭人件費を4名分まで補助する事業の拡充を予定。これらの措置に伴う所要額として、前年度に比べて約1億1千万円増となる約3億2千万円を計上したところ。
 しかしながら、障がいのある方の自己決定、自己選択を最大限尊重した支援体制を築いていくためには、例えば現行のホームヘルプサービスの仕組みについて、障がいの状態に応じたよりきめ細かなサービス提供ができるようにするなど、一層の制度の改善が重要であると考えている。これまでの独自施策の効果を見極めつつ、今後とも、障がいのある方が暮らしやすい環境となるよう検討を進め、地域における自立生活の促進を図ってまいりたい。
9 教育問題について
【質問】
 学校教育における様々な問題を解決していく上で、最も重要なことは、子どもたちに直接向き合う教師が、一人一人の子どもの状況をしっかりと把握し適切に指導を行うことである。
 既に、札幌市では、小学校1年生と2年生、更に中学校の1年生で35人学級を実施しており、初めて学校生活を経験する時期や環境の変化する時期に、少人数学級を編成することは、子どもたちの教育にとって有効であることは明らかである。独自財源で30人学級を先行導入した秋田県や山形県は、欠席や不登校、いじめ減少の一因に学級の少人数化があったと報告されている。
 さらに、日本の平均学級規模は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均を大きく上回り、しかも、日本の教育予算は、国内総生産(GDP)に占める比率がOECD諸国で最低レベルにあることは極めて悲しむべきことである。教育は、これからの社会を担う子どもたちを育むという、国の根幹にかかわる営みである。一人一人の児童生徒にきめ細かな指導を行える環境を整えていくことこそが、いじめや不登校を含め、学力の向上など、様々な教育上の課題を解消し、質の高い教育の実現につながると考える。
 そこで、札幌市教育委員会として、少人数学級の教育的効果について、どのように認識しているのか、また、札幌市として、一人一人の子どもたちにきめ細かな指導を行うための環境づくりについて、今後、どのように対応しようとしているのか?


【答弁】
 少人数学級においては、教員の目が行き届くことで、子ども一人一人の状況を把握しやすくなり、個に応じたきめ細かな指導がより一層充実したものになると認識している。少人数学級を実施した学校からは、子ども一人一人の学習状況に応じた指導や、いじめや不登校など、子どもが抱えるさまざまな課題に対し、子どもの心に寄り添った対応をする上でも教育効果は高いとの報告がある。
 教育委員会としては、子ども一人一人にきめ細かに対応できるよう、スクールカウンセラーや心のサポーター、理科支援員などの取組を進めてきたところ。今後、それらの取組を拡充するとともに、先ほどお話しした少人数学級の効果の高さを踏まえ、その早期実現に向けて、国及び道に対してより一層強く要望してまいりたい。

【質問】
 「仮称・障害者差別禁止法」制定にむけ、内閣府の障害者政策委員会・差別禁止部会が2012年9月に取りまとめた「意見」では、「特別学校における教育は原則としてインクルーシブ教育とは言えない」「障害を理由に分離している現行の就学基準は権利条約に抵触している」「不均等待遇や合理的配慮の不提供は障害に基づく差別である」とし、さらに「合理的配慮は過度の負担が生じる場合には不提供が正当化事由となるものの、特に義務教育において条件整備は提供する側の責務であり、その例外は極めて限定的である必要がある」とした。
 インクルーシブ社会の実現に向けて、幼・小・中・高等学校での教育の果たす役割は、大きいと考えるが、教育現場ではいまだに、「個別のニーズ」と「専門性」の名のもと「分離」を進めている。北海道においては、2007年に「特別支援教育」が実施されて以来、急激に分離が続き、この5年間で「特別支援学校」の子どもは2012年度5,221名で689名増加、「特別支援学級」の子どもは小・中学校合わせ9,261名と3,103名増となっている。また、「普通高校」にも特別支援学級の子どもの2割が進学している実態があり、受験時の配慮が十分でなく、また入学後の付添いを求められるなどにより退学をせざるを得ないケースが後を絶たない。
 そこで、障がいのある子どもの学籍をその子どもの住む地域の小・中学校の通常学級に置くことや、本人・保護者が希望する場合のみ「特別支援学級」選択できるようにすること、さらには保護者に負担を課すことなく公的に保障することが必要であると考えるがどうか? また、国が進めようとしているインクルーシブ教育システム構築事業案の中で、多くのモデル事業を実施しようとしているが、札幌市においても、このモデル事業に参画し実例の蓄積を行う必要があると考えるが、いかがか?


【答弁】
 札幌市が推進してきた特別支援教育に関する取組は、文部科学省が示すところのインクルーシブ教育システムの構築と基本的には同じ方向性にあるものと認識している。就学先決定の仕組みや必要となる支援のあり方等については、今後、国において、調査研究を進めていくものと考えている。
 それらの情報収集に努め、今後の改善のあり方について検討を進めるとともに、これまでの特別支援教育の充実の取組についてもより一層推進してまいる。
 今回、示されているモデル事業案は、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶために必要な取組についての調査研究であり、今後の札幌市の特別支援教育の充実のために有効なものと認識している。現在のところ、モデル事業に関する正式な通知はまだないが、これまで、具体的な内容等について文部科学省に確認するなどしながら、その参画について、検討しているところ