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2018年第3回定例市議会 民主市民連合代表質問
1 地域防災力のさらなる向上について
 札幌市では、これまで大きな自然災害が発生していないこともあり、行政を含めて市民の危機意識が希薄であり災害が発生した際の備えが十分と言えなかったと思う。災害時の被害を軽減するためには、市民一人ひとりの自助が高まるよう、様々な機会を捉えて市民への普及啓発を図っていくことが必要である。
 また、地域住民には身体的、体力的な問題などの事情によって一人では避難が困難な方もいる。災害が発生した際に地域住民同士が声を掛け合って対応するなどの取組を広げていくことが市民の早期避難にもつながるものと考える。
 そこで、災害発生時に市民がより早く避難行動を取り減災につなげていくためには、地域での住民同士の助け合い、「共助」の取組が進むよう積極的に支援を行うことが必要と考えるか?
【答弁】
 より迅速な避難行動を促すには、地域住民がお互いに誘い合って避難する、いわゆる共助の取組が有効であると認識している。
 そのため、札幌市においては、地域住民間のコミュニケーションの活発化や、平時からの顔の見える関係の強化を図るため、昨年からモデル地区を選定し、地区防災計画の取組支援を進めているとろ。今後、この取組を他の地区にも広げていくことによって、共助の意識、ひいては地域防災力の向上を図ってまいりたい。
2 財政問題について
(1) 市債残高に対する認識について
 市債残高の推移をみると、企業会計を含めた札幌市全会計の市債残高は2017年度末で1兆6,839億円と14年連続の減となっている。このことは評価するが一般会計の市債残高に限ってみると2017年度末で1兆531億円と、2016年度より315億円、3.1%の増となり、6年連続の増となったことに懸念を持っている。8月31日に総務省が公表した「2019年度地方交付税の概算要求の概要」を見ても、地方税の伸びなどによって地方の財源不足額は縮小するにもかかわらず、臨時財政対策債の全国総額については、前年度を0.1兆円、3.7%上回る4.1兆円と試算されている。臨時財政対策債による市債残高の積み上がりは全国自治体において共通の懸案であり、この積み上がりを回避しながら地方の一般財源を確保することが市債残高の抑制ひいては健全な財政運営の堅持につながると考える。
 そこで、市債残高に対する認識について、市長の考えを伺う?

【答弁】
 市長に就任してから、中期財政フレームに基づき市債発行を抑制してきた結果、臨時財政対策債の残高は増えたものの、建設債については市長就任時の水準を維持してきたところ。
 今後、臨時財政対策債の発行額の増加に加え、公共施設の更新需要の増加や災害対応などにより、さらなる市債の活用の可能性もあるが、可能な限り市債発行額の抑制に努め、将来に過度な負担を残さないよう財政規律を堅持していく必要があると考えている。


(2) 今後の財政運営に関する基本的考え方について

 2017年度末の財政調整基金の残高は201億円と27年ぶりに200億円台となった。実質収支の黒字は税収の伸びや歳出の工夫によるものと理解している。財政調整基金の残高については、過去最大であった1981年度末の287億円ほどの規模ではなく、国で議論されているような過大な積み上がりではないと考える。一方で、この基金は今回の地震災害の復旧事業や、わが会派が重視している子育て支援や教育の分野や札幌の将来につながる事業に使うなど、その活用に工夫を持たせる余地があるのではないかとも期待している。
 そこで、2019年度の骨格予算の編成に向け、どのような姿勢で準備を進めていくのか、今後の財政運営に関する基本的な考え方について伺う?

【答弁】
 平成31 年度は骨格予算となるが、「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015」の最終年度であり、計画に掲げた取組については、着実に実施していく必要がある。加えて、北海道胆振東部地震による被害からの早期の復旧・復興を始めとする喫緊の市政課題にも機動的に対応していけるよう、意を用いてまいりたい。
3 冬季オリンピック・パラリンピック招致について
(1) 開催概要計画について
 冬季オリンピック・パラリンピック招致について、札幌市はこのたび発生した北海道胆振東部地震からの復旧を最優先する必要があることから、2026年の立候補ステージには進まず、2030年招致に向けた対話をIOCと継続することで、IOC、JOCと合意した。
2030年招致に向けては、これまでの招致活動を踏まえ、これまで作り上げてきた開催概要計画の精度をさらに高めるとともに、必要な課題に対応した見直しなどを進め、然るべき時期に計画を改めて市民に公表するものと考えている。開催概要計画の精査に当たっては、まずは、IOCと対話を重ねることで見えてきた課題をそれぞれ解決していくとともに、市民からの理解が得られるようより一層の開催経費の削減に努めていくことが重要であると認識している。
 一方で、招致目標が4年先となることにより新幹線の延伸や新規ホテルの建設、その他民間による開発など、札幌のまちが大きく変わることが想定されることから、現在の各競技会場の配置や整備の在り方などが2030年の札幌市が目指すまちの姿に合っているのかどうかについてもしっかりと検討する必要がある。
 そこで、2026年から2030年に招致目標を変更するに当たり、開催概要計画の精査をどのように進めていくのか考えを伺う?
【答弁】

 2030 年大会に向けた開催概要計画の再構築に当たっては、更なる開催経費の削減はもちろんのこと、停電対策など新たな課題への対応も重要であると認識している。そこで、これまで対話ステージで示された、既存施設の更なる活用に向けて関係者との調整を進めるとともに、札幌・北海道の強靭化に向けて国との連携も図りながら、例えば、バックアップ電源の確保策などについて鋭意検討してまいる所存。今後、これらの検討を進めるに当たっては、当初の計画策定に携わっていただいた有識者による検討委員会において検証も行いながら、
 2030 年大会招致に向けた新たな開催概要計画について再構築してまいりたい。


(2) 支持率の確保について
 冬季オリンピック・パラリンピック招致の実現に当たっては、市民からの支持が不可欠であるが先月発生した北海道胆振東部地震が市民の暮らしにも強い影響を与えていること、さらには招致の目標年次が2030年に決まり2026年の大会を待ち望んでいた方々など、招致機運の落ち込みが心配される。一方で、オリンピック・パラリンピックの招致に取り組むことは復興する北海道の姿を世界へ発信していくことにつながるものであり、スポーツが持つ力で人々に夢と希望を与える世界最大の平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックを、この札幌・北海道の地で開催する意義がますます深まったとも考えられる。市民にとって夢のある計画づくりを行い、それを分かりやすく伝え、そして広めていく活動を継続的に行うことで外的要因に左右されない確固たる支持を確保していくことが重要である。
 そこで、2030年大会招致への支持率の向上に向け、今後、どのように取り組んでいこうとしているのか考えを伺う?
【答弁】

 オリンピック・パラリンピックに対する市民理解の促進に向けては、世界平和や共生社会の実現といったオリンピック・パラリンピックの持つ本来の価値や、将来世代に過度の負担を残さない持続可能な開催計画を多くの市民の皆様に丁寧に説明していくことが何よりも重要であることから、今後とも、出前講座等により、きめ細やかな情報提供に努める。また、札幌の未来を担う子どもたちを始め、多くの市民に、ウインタースポーツの魅力を強く発信することで、この札幌・北海道でオリンピック・パラリンピックを見てみたいという期待感を育んでまいりたい。
 加えて、市内のプロスポーツチームやオリンピアン・パラリンピアンの方々にもご協力をいただきながら、SNSの活用などにより、多くの市民に賛同しながら参加いただけるような招致気運の醸成活動についても積極的に展開してまいりたい。
4 PMFの今後の在り方について
(1) 今年の取組の評価について
 今年の国際教育音楽祭PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)は、バーンスタイン生誕100年にちなんで興味深い取組も行われPMF期間中には、地下鉄の車内広告などでPMFの主役とも言えるアカデミー生の姿が印象的に映る広報が大々的にされていた。
 来年は30回目を迎えますが、今後の方向性の中には記念事業が計画され2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会文化プログラムにも参加していると聞いている。  
 PMFは、10回目の開催後に事業検証を実施しているが、その後20年間が経過し、その結果をどのように活かしてきたのか検証することが必要である。また、今後に向けては、札幌市にとって必要なものである理由を市民にしっかり示し、この30回目を期に見直しを行い、更に魅力のある音楽祭として発展させていくべきと考える。
 そこで、バーンスタイン生誕100年であった今年の取組をどのように評価しているのか?
 また、PMFは、来年30回目の節目の年となるが、改めて、PMFの役割と在り方について市長の考えを伺う?

【答弁】
 今年は、バーンスタインの生誕100 年を記念して、さっぽろ雪まつりにおいて、本人をモチーフにした大雪像を作り、PMFの意義や足跡等を紹介するステージイベントなどを展開した。
 また、会期中は、PMFオーケストラのプログラム全てにバーンスタインの曲を選曲したほか、PMFの着想の礎となった広島での公演や平和事業への参加などを行ったところ。加えて、第1回以来となる世界的バイオリニストの五嶋みどり氏が参加し華を添えるなど、キタラでのPMFオーケストラによる公演は、毎回、ほぼ満席の大盛況で終えることができた。
 こうした取組を通じ、改めてバーンスタインの平和への想いや教育に対する情熱を、参加したアカデミー生やアーティスト、そして聴衆の方々へ伝えることができ、期待を上回る成果を得られたものと認識している。
 PMFの役割と在り方については、若手音楽家の育成を担う世界三大教育音楽祭の一つであり、これまで、世界トップレベルの才能に市民が直に触れる機会を提供するとともに、札幌で学んだアカデミー生たちが国内外で活躍することで、札幌の魅力を発信する役割を担ってきたところ。
 一方で、より広く市民に親しまれるものにすることも重要であり、特に、未来を担う子どもたちや若い世代にPMFを身近に感じてもらうことは、札幌市の文化や国際感覚の醸成に、大きく寄与するものと考える。来年は、いよいよ30 回目の節目を迎えるが、これまでの30 年をしっかりと検証し、より魅力溢れるPMFの在り方について検討してまいりたい。
5 子ども施策について
(1) 子ども医療費助成事業について
 札幌市における子ども医療費助成事業の「通院」の対象年齢について、従前は「未就学児まで」となっているが、「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015」において、2018年度から小学1年まで拡大することを決定し、今議会においては、来年度から対象年齢を小学2年生まで拡大するための条例改正案が提出されている。
 札幌市が2016年度に実施した「子ども・若者生活実態調査」においては、「子どもを病院等で受診させた方がよいと思ったが、受診させなかった経験」があるかというアンケートに対し、世帯全体で18.4%が「ある」と回答している。その理由として「お金がなかった」と答えた人が27.2%と、非常に厳しい状況にある。経済的な理由で子どもが必要な医療を受けられない状態はあってはならず、子どもの貧困対策の視点からも、この事業の果たす役割はますます大きくなっている。
 そこで、子ども・子育て支援という観点から、子ども医療費助成事業についてどのように認識しているか?また、今後できるだけ早期に対象年齢の拡大を図るべきと考えるが、いかがか伺う?
【答弁】
 1点目の子ども医療費助成事業の認識について子ども医療費助成事業は、子どもの保健の向上と福祉の増進を図る目的で実施しているものであり、子ども・子育て施策における重要な柱の一つであると認識。
 2点目の対象年齢の拡大については、今後の更なる対象年齢拡大については、学年を増やすことによる財政負担の増加も勘案しながら、子ども・子育て施策全体の中で検討してまいりたい。


(2) 医療的ケアを必要とする子どもへの支援について
 現在、医療的なケアを必要とする子どもの数は増加傾向にあるとされ、札幌市内には250人から300人程度の医療的ケア児がいると推測されている。
 我が会派は、昨年の第3回定例会代表質問で児童福祉法に明記してある保健、医療、福祉の関係機関と連絡調整を行う体制整備についてどのように対応していくのか質問し、「29年度中に課題や対応策について継続的に検討を行うための協議の場を設置する予定」との答弁があった。その後、札幌市医療的ケア児支援検討会が立ち上げられ、現在に至るまで3回の会議が開催され、ようやく医療的ケア児への支援に向けた第一歩が踏み出されたものと考える。検討会の委員構成を見ると各分野の専門家が参加しており、今後、検討会の議論を経て札幌市の医療的ケア児に対する支援がどのような方向に進んでいくのか大いに注目している。
 そこで、これまで検討会において、どのような議論がなされたのか、また、今後どのように協議が進む予定なのか?

A 課題認識と今後の取組
 次に、医療的ケアを必要とする子どもには常時ケアを必要とするニーズがある一方、適切なケアを受ければ日常生活を比較的に不都合なく過ごすことができるケースもあるなど、各々で状態は異なっている。また、乳幼児期、学齢期など、それぞれのライフステージによって成育環境や通う施設が異なることで新たな課題が出てくることが考えられる。
 保護者のニーズも多岐に渡っており、例えば障害児通所支援事業所への通所を希望するケースのほか健常な子どもと一緒に過ごす時間を確保したい、また、保護者の就労により保育所への入所を希望するケースもあるなど、様々なニーズや課題をどのように認識し、何を優先的に取り組んでいくかという判断は非常に難しいと考える。
 そこで、医療的ケアを必要とする子どもへの支援を実施するに当たっての課題に対する認識と、今後どのような取組を考えているのか伺う?
【答弁】
 1点目の医療的ケア児支援検討会での議論について保健・医療・福祉・教育などの専門家や、医療的ケア児の保護者などで構成される委員が、受入れ可能な施設の確保の必要性、適切な相談機関の明確化などについて、協議・意見交換を行っている。この検討会は、年度内にあと2回行い、その後も継続的に開催していく中で、課題解決に向けた対応策などの協議を進めていく予定。
 2点目の課題認識と今後の取組については、医療的ケアを行う人材の確保や養成、保護者の負担軽減、受入れ可能な施設のさらなる確保などが、喫緊の課題と認識。まず今年度は、受入れ可能な施設を増やすため、医療的ケアを必要とする子どもの支援者を養成する研修を実施するほか、障害福祉サービスなどの利用状況、保育所への通所や学校への通学状況、保護者のニーズなどを詳細に調査してまいりたい。  これらの調査結果や検討会での協議内容を基に、保育所や学校における看護師等による支援などの具体的な取組を検討してまいりたい。


(3) 困難を抱える子どもや家庭への支援について
 2018年3月に策定した「札幌市子ども貧困対策計画」では、「困難を抱える子ども・世帯を早期に把握し必要な支援につなげる取組の推進」を子どもの貧困対策を進めるうえで基礎となる。特に、推進すべき取組であると位置付けその具体的な取組の一つである「子どものくらし支援コーディネート事業」が8月1日から開始となった。
 この事業は子どもや家庭の相談支援に豊富な経験などを持つ「子どもコーディネーター」が、子どもと関わる地域の様々な関係先に直接出向き連携して困難を抱えている子どもや家庭を早期に把握し必要な支援につなげる取組であり、まずは北区と東区の一部の地域を対象に1名体制でモデル事業としてスタートし、現在、地域で子どもと関わる先を巡回している。
 地域で子どもと関わる先として、近年、地域で広がりをみせている子ども食堂など子どもの居場所は子どもが安心して過ごし地域で子どもを育て見守る場であるとともに、子どもだけでなく大人も交流を深める地域コミュニティの拠点となるなど、多様な機能を併せ持つものであり、こういった団体との連携も必要だと考える。
 また、潜在的な困難課題を抱えている子どもや家庭を早期に把握し必要な支援につなげる取組を全市へ広げていくためにも、さらなる体制の拡大が必要である。
 そこで、子どものくらし支援コーディネート事業のこれまでの取組状況と、今後の展開について伺う?
【答弁】
 相談支援体制の充実を図るため、この8月から「子どものくらし支援コーディネート事業」を開始したところ。2か月間で30 件余りの相談が寄せられており、例えば、子どもの養
 育環境に心配がある世帯を地域の見守りにつなげたり、経済的な理由で塾に行けない子の相談に対して学びの支援の情報を提供するなど、それぞれの世帯に寄り添いながら必要な支援につないでいるところ。今後、コーディネーターが子ども食堂や学習支援団体などの子どもの居場所に積極的に出向くなど、地域との連携を深めてまいりたい。また、11 月以降コーディネーターを増員し、対象地域を拡大することとしており、引き続き効果等の検証を行いながら、全市的な取組につなげてまいりたい。


6 若年性認知症の支援について
 札幌市は、介護・福祉・医療従事者向けの研修会の開催や、関係団体とともに「若年性認知症の人と家族への支援の手引き」を作成するなどの取組をしており、一定の評価をしているが多様な課題を抱える若年性認知症の方への支援はまだ十分とはいえない状況である。
 国においては2015年に改定された認知症施策推進総合戦略いわゆる新オレンジプランの中で若年性認知症施策を主な柱の一つに掲げており、社会の理解や生きがい支援が盛り込まれている。
 札幌市においても、就労と治療の両立に向けた支援を企業へ促すなど、若年性認知症の方の人権や尊厳を大切にし生き生きと暮らすことができる社会を実現するため、さらなる取組を進めるべきと考える。
 そこで、若年性認知症の方の生活実態に関する札幌市の現状認識と、今後の方向性について伺う?
【答弁】
 若年性認知症は、まだ十分には理解されていない病気であり、現役世代に発症するため、職を失なったり、社会から孤立する等、精神的・経済的に大きな負担を伴うものであると認識。〇今後の方向性については、札幌市としては、関係団体等と連携しながらご本人やご家族のニーズを把握するとともに、企業や市民理解の促進に取り組み、ご本人が引き続き社会とのつながりを保てるよ う働きかけてまいりたい。
7 生活困窮者対策について
(1) 自立相談支援事業の課題と今後の取組について
 札幌市においては、住居確保給付金の支給をはじめ、生活就労支援センター(ステップ)並びにホームレス相談支援センター(ジョイン)を開設し、生活困窮者の自立に向けた支援事業を行ってきた。特に今年で4年目を迎える生活就労支援センターは、相談者の約3割が増収・就労につながっており、各区において開催する出張相談会などにより相談機会の拡大を図ってきた。
 しかしながら、困難を抱えながら相談にたどり着けない困窮者を減らすよう、さらなる取組の強化を図り生活保護に至る前の段階で様々な問題を解決することで、自立した生活を支援することが重要である。また、生活困窮者の相談内容は、経済的な理由のみならず、生活習慣やメンタルヘルス、人間関係、病気や障がいなど、精神的な支援、福祉的なサポートを必要とするケースも多く、対応する職員には高い専門性が求められると考える。
 そして国は、他の関連する法律と併せて生活困窮者自立支援法を改正し、自治体の他の関係部局の業務を通して生活困窮者を把握した場合に、制度の利用勧奨を行うことが努力義務となったところであり、札幌市においても具現化する必要がある。
 そこで、これまでを振り返り、自立相談支援事業の課題をどのように認識しているのか、また、今回の法改正を踏まえ、どのような取組を進めようとしているのか伺う?
【答弁】
 生活就労支援センター「ステップ」では、様々な相談者の困りごとに寄り添った支援を行うことで一定の成果を上げている一方、自ら助けを求めることができない方々の把握が難しいことが課題であると認識している。
 今後は法改正を踏まえ、福祉、税務、教育や住宅等の関係部門と引続き連携を行いながら、支援を必要とする生活困窮者を確実に相談窓口へつなぐため、庁内への事業周知を徹底してまいりたい。
 また、相談支援員が専門性を持って対応することは大変重要であることから、今後も研修会や関係機関とのネットワーク会議など様々な機会を捉えながら、職員の専門性向上に努めてまいりたい。


(2) 福祉支援を必要とする方々への対応について

 札幌市では、2012年に白石区で発生した姉妹孤立死を受け、このような悲惨な事故が繰り返されることのないよう、生活保護、介護・障がい、高齢者など担当間の連携強化、ライフライン事業所との連携など6つの再発防止策を掲げ、関係機関等と協議を重ね、実行に移してきた。
 電気・ガスなどのライフライン事業所では滞納者が必ずしも生活困窮者と限らないこともあり、停止世帯の情報共有までは至っていないが、各種窓口に生活保護のチラシを置くとともに、本人の同意のもとに情報提供をしていくなど、可能な範囲で協力を得られている。また、配食サービス、宅配事業者等の民間事業者とは地域の見守りに関する協定を締結し通報体制の充実を図るなどの取組を進めてきた。
 痛ましい事故を防ぐためには、このような日常的な見守りが大変重要と考える。今回のケースにおいては、その見守りの一端を担う生活保護ケースワーカーの訪問が不十分であったとの指摘もあり、その点は真摯に受けとめる必要がある一方で、ケースワーカーの業務負担が年々増しており職場環境の改善も必要と考える。
 そこで、2012年に掲げた再発防止策に対する現在までの取組状況、及びこのような事故が再び起こらないようにするため、今後、札幌市としてどのような取組を行っていくのか伺う?
【答弁】
 再発防止策についてだが、事業者との連携のほか、保護の申請に至らなかった方へのフォローアップや区保健福祉部内での情報共有、高齢者等の見守りなどを行っており、これらの取組は現在も継続中。特に、民間事業者との連携による見守り・安否確認活動は、年々ご協力いただける事業者も増えており、少しずつではあるが、着実に地域における重層的な見守り体制を構築してきている。
 これらの取組をさらに充実させていくとともに、今後も有効な方策について、検討してまいりたい。また、被保護世帯に対しては、ケースワーカーだけに負担がかかることのないよう組織的に対応を行い、これまで以上に着実な定期訪問により状況を把握し、必要な支援を行えるよう努めてまいりたい。
8 介護職場におけるハラスメント対策について
(1) 介護職場におけるハラスメントに対する認識について
 介護分野に関わる働く人たちの労働組合である「日本介護クラフトユニオン」は本年4月から5月にかけて、北海道地区72名を含む全国2,411名を対象に実施した「ご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケート」を実施、その調査結果を6月に公表した。介護サービス利用者やその家族によるパワー・ハラスメントやセクシュアル・ハラスメントなど、何らかのハラスメントを受けたことがあると回答した介護職員が74.2%に達しており、その具体的内容にはハラスメントの域を超えた極めて深刻な内容もある。
 またハラスメント被害により、およそ被害者の9割が精神的ダメージを受け精神疾患になった介護従事者がいることも明らかになっており、このままでは、介護保険制度は働く側から崩壊し介護人材の不足により「介護難民」や家族の介護のため「介護離職」をせざるを得ない人が多発する恐れがある。現在、介護サービスの中の訪問介護や訪問看護においては、複数訪問加算の算定要件として、「暴力行為、著しい迷惑行為などが認められる場合」があり、利用者や家族の同意を得ていれば2人体制で介護サービスを行うことが可能となっている。
 しかし、サービスに要する費用が通常の2倍となり利用者負担も2倍となることから、ハラスメントの実態があるにも関わらず、利用者や家族から同意を得ることが難しいなどの理由から1人での訪問とならざるを得ない場合もあり現行制度ではフォローしにくい実情がある。
 そこで、市長は介護職場におけるハラスメントについての認識は?

【答弁】

 介護職員や看護職員の尊厳を守るためにも、ハラスメントはあってはならないことであり、また、ハラスメントに起因して十分なサービスを提供できない等業務への支障となることから、職員が安心して業務に専念できる職場環境の確保が必要である。


(2) 札幌市としての今後の対応について

 また、ハラスメント対策について今後の対応をどのように進めるのか伺う?
【答弁】
 ハラスメントが起こる背景には、利用者の心身の状態や介護職員の勤務状況等様々な要因があり、被害事例も多岐にわたることから、まずは実態把握の必要があると考えている。国においては、今年度中に実態調査を行い、事業者向けの指針を策定する方針を示していることから、国の動向を注視するとともに、必要な法整備の要望や情報収集を含め、ハラスメント対策についての研究に努めてまいりたい。
9 民泊の現状認識と今後の取組について
 来札観光客は年々増加し、特に、外国人観光客数の増加は顕著で、昨年度は250万人を超えたところであり、加えて、旅行形態が団体旅行から個人旅行にシフトしている傾向にある。北海道胆振東部地震の影響はあるものの、当面、民泊の需要の高まりは途絶えることなく、国際交流やふれあい、低価格、長期滞在可能という利点を持つ民泊は、宿泊施設のバリエーションの一つとして有効に活用すべきものであると考える。
 一方、民泊仲介サイトには観光庁からの指導により違法物件については大幅に削除されたとは言え、依然として所在地が特定できないヤミ民泊がサイト上に散見されている。民泊を有効に活用するためには届出された事業者に適切な指導・監督を行いつつ、行政と事業者が一体となって、安全性の確保、地域の理解・信頼を得ていくことともにヤミ民泊は決して認めないという毅然とした態度を示すことが重要と考える。
 そこで、札幌における民泊の現状をどのように受け止めているのか。また、現状を踏まえ、今後、民泊の運営について、どのような考えにより取り組んでいくのか伺う?
【答弁】
 民泊の現状について、まずは、民泊事業者の実態把握を重要視し、届出を促してきたところであり、現在のところ、懸念されていた生活環境への影響が問題となる状況には至っていないと認識。
 また、民泊は、観光客の多様なニーズに対応する宿泊施設として、期待されており、そのためには、民泊の適正な運営を確保し、市民や観光客の理解・信頼を得ていくことが不可欠である。
 今後も、現地調査や立入検査などを通して、適切な民泊の指導強化に努める一方で、健全な民泊については、法の趣旨に基づき、地域住民との調和を図りながら、普及促進を図ってまいりたい。
10 動物愛護活動の推進について
(1) 動物関係団体等との協働による取組について
 近年、大きな社会問題としてメディアなどでも取り上げられている。犬や猫の多頭飼育の崩壊による周辺住民の住環境悪化、犬や猫の小さな命が劣悪な環境の下で生命の危険にさらされる等、まだまだ解決すべき課題があると考える。これらの諸課題の解決のためには、動物に関係する様々な団体と連携しながら動物愛護管理の取組をさらに推進していくことが重要である。
 加えて、今後も札幌市は動物愛護や適正飼育の普及啓発、動物の福祉の向上に努めていく必要があり、そのためには現在の動物管理センターではスペースなどの関係で実施できていない市民やボランティアの教育・研修や、大学やボランティアと連携した収容動物のケアなどの取組を新規、拡充すべきである。2016年2月23日の市議会において全会派一致の陳情採択がされ、機能強化した新たな動物愛護センターを早期に整備することが必要と考える。
 そこで、札幌市は動物愛護活動を推進していくため、関係団体と協働して今後どのような取組をしていくのか伺う?また、動物の愛護や適正飼育に関する普及啓発などの拠点として、新たな動物愛護センターの早期実現を積極的に進めていくべきと考えるが、いかがか伺う?
【答弁】
 札幌市動物愛護管理推進計画では、近年の動物愛護精神の高まりやペットに関する課題の多様化を踏まえ、動物の愛護・管理・福祉の3つの視点から、動物関係団体等と一体となって推進すべき取組を盛り込んだところ。
 今後は、動物関係団体等との積極的な連携のもと、市民講座やイベントなどの様々な機会をとらえて、動物を飼育していない方も対象とした命の大切さや飼育マナーの啓発、子ども向けの体験型学習など、動物愛護精神を育む取組を着実に進めてまいりたい。
 新たな動物愛護センターの検討については、収容動物の保護管理機能の充実はもちろんのこと、現在の動物管理センターでは不足している市民の学習や交流などの動物愛護に関する機能の拡充を、積極的に進める必要があるものと認識。このことから、今年度、複数の候補地における周辺環境等の諸条件を整理するための整備基礎調査を行い、新たな動物愛護センターの整備に向け、設置場所や施設の規模等について検討してまいりたい。
11 教員の長時間労働対策について
 文部科学省が昨年4月に公表した「教員勤務実態調査」によると、10年前と比べ勤務時間が
 増加している実態が明らかになるなど、全国的な課題とされている。このような状況下では教員が子どもと向き合う時間が不足し、ひいては教育の質の低下につながることが懸念される。また、昨年12月に文部科学省から「学校における働き方改革に関する緊急対策」が示されており、札幌市においては休暇取得促進のための「夏季休校日」、部活動の休養日の設定を盛り込んだ「部活動活動基準」、学校への時間外の電話を自動アナウンス対応に切り替える「転送電話」など、緊急対策に掲げられた取組に着手している。
 しかしながら、教員の長時間労働の実態は、これらの取組だけで解消できるものではなく、今後は、緊急対策にもある「学校給食費の公会計化」などによる業務負担の軽減や教員の定数増により少人数学級を実現し、教員がよりきめ細かく子どもたちに寄り添うことができるようにする取組を進めていくことが必要である。
 そこで、札幌市の教員の長時間労働の実態についてどのような認識を持っているのか。また、今後どのように取り組んでいくのか伺う?
【答弁】
 札幌市における教員の長時間労働の実態については、以前実施した本市調査でも、全国と同様の結果であることを把握しており、看過できない喫緊の課題と認識。また、子どもたちの笑顔があふれ、自ら学ぶ喜びを実感することのできる学校づくりを進めるためには、教員が、子どもたちとより豊かな関わりを持つことのできる環境整備が必要と考えている。そのため、教員の長時間労働対策として、昨年度から「夏季休校日」や「部活動活動基準」について、文部科学省の通知に先んじて実施するなど、取組を進めてきたところ。
 現在、各学校において勤務実態の把握を行っており、今後は、その結果を分析したうえで、教員の負担軽減に向けた実効性ある取組を推進し、学校教育の一層の充実に繋げてまいりたい。