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2021年度 第2回定例市議会代表質問
1 市政運営方針について
(1) (仮称)第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン策定について
 現在、次期のまちづくり戦略ビジョン策定に向けては、「(仮称)第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン策定方針」を示し、本格的な検討に着手しているが、今後のまちづくりに当たっては、超高齢社会が進展し生産年齢人口が減少する中、ICTの利活用は本市が抱える課題解決に欠くことのできない重要な要素であり、日々進化する技術を想定した検討が必要である。
 また、「まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019」においては、SDGsの理念や目標に沿って持続可能なまちづくりを進めていくため、重点プロジェクトや各施策についてSDGsとの関連を示し策定してきたが、次期のまちづくり戦略ビジョンにおいても、SDGsの視点を踏まえ策定作業を進めていくことが重要と考える。
 そこで、(仮称)第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの策定に向けて、審議会にどのような議論を求めるのか、また、SDGsと次期戦略ビジョンはどのような相関になるのか併せて伺う?

【答弁】
 今後は、少子高齢化と人口減少に対応し、誰もが健康で活躍し続ける社会をつくっていくことや、自然災害の発生、感染症拡大を踏まえ、ICT等の活用によって、社会経済活動の利便性や継続性を向上させていくことが重要と認識している。
 これらの課題認識から、審議会には、健康やICT、防災などの有識者にも参画してもらい、札幌の次なる100年の土台となる10年のまちづくりの方向性を示唆する答申を頂きたいと考える。また、次期の戦略ビジョンは、持続可能な社会の実現に向け、多岐に渡る分野で調和ある発展が必要なことから、策定方針において幅広い課題を掲げるSDGsの視点を反映し、SDGsの理念やゴールを踏まえた目標設定や、社会・経済・環境の三側面の連動による統合的な課題解決に向けた分野横断的な検討を進めていく。


(2) アクションプラン2019の進捗について

 アクションプラン2019の計画期間は2022年度までの4年間であり、ちょうど折り返しを迎えたところであるが、策定時には想定し得なかった新型コロナウイルス感染症の影響が拡大、長期化し、当初の計画目標が達成できるのか危惧している。
 残り2年の計画期間においても、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めつつ、刻々と変化する社会経済情勢に対応し柔軟に計画を推進していくことが重要であるが、各事業で想定していたターゲットや事業手法の見直しが、当初想定していた各数値目標等にどのように影響するのかも都度見極める必要があると考える。
 そこで、アクションプランの折り返しを迎え、計画の進捗に対する評価と今後の推進についての考えを伺う?

【答弁】
 計画全体としては政策目標の実現に向けた取組を着実に推進しているが、感染症の拡大に伴い一部の計画事業については見直しを余儀なくされており、各種イベントなど特に「産業・活力」分野において、計画事業の進捗に影響が生じている。そのような中、感染拡大の防止や事業の継続に最優先に取り組むとともに、「新たな日常」への転換を図るため、テレワークの推進や小中学校への1人1台端末の導入など、デジタル化の促進にも注力し、社会経済情勢の変化に柔軟に対応してきたものと評価している。今後も計画事業の進捗を検証するとともに、感染症による市民生活や市内経済への影響も踏まえ、計画事業の見直しや新たな事業の実施により、複雑多様化する地域課題や市民ニーズに的確に対応し、政策目標の実現を目指していく。
2 財政運営について
(1) 財政調整基金の残高に対する認識について
 当初予算とこれまでの補正予算を含め、一般財源としては財政調整基金を92億円取り崩すこととしており、この結果、補正後の財政調整基金の2021年度末残高は64億円を見込んでいる。2019年12月に策定したアクションプラン2019では、財政規律の堅持を図る目標として、財政調整基金の2022年度末残高を少なくとも100億円以上の水準を維持するとしていが、現下の状況はまさに災害レベルと言っても過言ではなく、コロナ禍にあっては100億円を下回ったとしても必要に応じて財政調整基金を活用して対策を行うべきと考える。
 そこで、財政調整基金の残高に対する認識を伺う?

【答弁】
 令和3年度当初予算とこれまでの補正予算において、財政調整基金から計92億円を取り崩すこととした結果、令和3年度末の残高は現時点で64億円となる見込みである。現在、令和2年度決算を精査中であるが、新型コロナウイルス感染症の影響により一部事業の規模が縮小したことなどから、一定程度の決算剰余金が生じる見通しとなっている。このため、法令で定められている決算剰余金の積み立てを勘案すると、財政調整基金の残高はある程度回復する見込みであり、今後も不測の事態に対応するため適切な水準を維持してまいりたい。


(2) 今後の財政運営について

 アクションプラン2019においては、計画期間中の収支見通しである中期財政フレームが示されており、財源の裏付けも含めた計画事業となっている。この中期財政フレームは、毎年度予算編成時に更新しながら、その進捗管理を行っていくことになるが、新型コロナウイルス感染症の影響が今後の中期財政フレームにも影響を及ぼすのではないかと危惧しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けている市民や事業者への支援は、国や北海道とも連携を図りながら進めることになるが、よりきめ細やかな対応については、本市がしっかりと取り組むことと、アクションプラン2019に盛り込んだ計画を確実に実施していくことが重要である。
 そこで、今後の財政運営について、どのように取り組んでいくのか伺う?

【答弁】
 現下の感染状況を踏まえると、引き続き感染拡大防止と市民生活及び市内経済の維持・回復を最優先に、機動的に対策を実施していく必要があり、今後も財政調整基金のさらなる活用を含め躊躇なく財政出動を行っていく。加えて、アクションプラン2019で計画化された事業については、社会・経済情勢の変化に柔軟に対応しつつ、所期の目的を確実に達成できるよう取り組んでいく。これらに必要な財源を確保するため、事業の実施時期の見直しや経費の精査・節減に取り組むとともに、国に対しても、地方創生臨時交付金の増額など、さらなる財政措置の拡充を要望していく。
3 新型コロナウイルスのワクチン接種について
(1) ワクチン接種を円滑に進めるための組織体制の構築について
 札幌市は特別定額給付金支給の際、政令指定都市20市の中で最も早く給付を終えることができたが、ワクチン接種は給付金と異なり地方自治体が単独で実施できることではなく国や道、医師会などの各団体や、様々な関係機関と緊密に連携しながら調整を行い、ワクチン接種を円滑に行っていく組織体制をつくる仕組みを構築が求められる。
 そこで、ワクチン接種を円滑に進める上で、どのように組織体制を構築しているのか伺う?

【答弁】
 1月1日付けで、7名の職員で構成するワクチン接種の担当部署を立ち上げ、以降、高齢者接種の7月末完了に向け、適宜、職員の増員を図ってきた。6月には、基礎疾患を有する方々への接種の枠組みや、集団接種会場の拡大などを検討するため、さらに職員を増員し、現在35名体制となっている。また、日常的に生じる医療機関との連絡や調整を図るため、庁内から20名程度の応援職員を動員するとともに他部局においてもワクチンロスゼロセンターの開設や高齢者施設の接種調整などを担い、まさに全庁一丸となって接種事業を推進している。

(2) 今後の接種能力と接種の前倒しについて

 接種については、各会場や医療機関でも一定程度経験を積む事によって、徐々にスピードがあがっていく事が想定されるが、それによって優先接種や一般の方の接種時期も変わる可能性があると考える。
 そこで、集団接種会場などが順調に設置・運営された場合の今後の接種能力と、予約や接種状況に応じた接種の前倒しについてどのように考えているか、それぞれ伺う?

【答弁】
 札幌市ではこれまで3つの集団接種会場を設置し、週3万回の接種能力を確保し、さらに、接種の加速化を図るため、7月17日からつどーむに4か所目の集団接種会場を設置し最大で週2万回の接種能力の追加を見込んでいる。また、札幌市医師会の協力のもと個別医療機関での接種拡大にも取り組んでおり、週8万回の接種能力を確保した。8月末までには全市民の5割が接種できる接種能力の確保を目指すとともに、着実にワクチン供給が行われるよう国に要請していく。
 今後、感染拡大防止を図っていくためには、高齢者はもとより、16歳以上64歳以下の方への接種を早めていく必要があると考えている。そこで、今後は、予約の空き状況などに応じて、順次、予約受付を開始することとし、まずは予約に必要な種券を16歳以上64歳以下の市民の皆様に7月13日から一斉に送付することとしている。これにより、ご自身が予約可能になったタイミングで、すぐに予約システムにアクセスしていただくことが可能となることから、接種の効率化や加速化につながるものと考えている。
4 都心部のまちづくりにおけるエネルギー政策について
 これまで本市においては、札幌駅北口側のエリアを、札幌エネルギー供給公社、南口側のエリアを、北海道熱供給公社の二つの出資団体が、それぞれ冷温水や高温水等を利用した熱供給事業を展開してきた。今後も両社の技術的な提携および効率的な経営によって、都心全体の低炭素化・強靭化に大きく寄与することが期待される。
 直近の動きとしては、都心エネルギーマスタープランの先駆的事業として、創生1.1.1区の象徴的な建物であるさっぽろ創世スクエアにエネルギーセンターが設置され、エネルギー供給が開始されたことが記憶に新しいところである。
 また、札幌駅前の北5西2地区で、2019年10月に策定された再開発基本構想において、エネルギーセンターの整備などを含めた低炭素で強靭なまちづくりを先導する拠点として整備することが掲げられているほか、高級ホテルや高機能オフィス、都市間バス、路線バスのターミナルの整備などが予定されている。
 そこで質問、民間の都市再開発事業と連携し、これからの都心での低炭素で強靭な熱利用について、どのように展開していくのか伺う?

【答弁】
 都心部での熱供給事業は、これまでも民間都市再開発事業の機会を捉え、熱導管ネットワークの拡充やコージェネを導入した災害に強いエネルギーセンターの整備などの取組を進めてきた。加えて、再開発などの計画段階における新たな事前協議制度を令和4年度までに構築し、容積率の緩和制度も活用しながら、地域熱供給の接続利用やエネルギーセンターの整備を一層推進していく。こうした取組を熱供給事業者と協働で進めることにより、都心のまちづくりと連携した低炭素で強靭な熱利用を展開してまいりたい。
5 大規模災害の発生に備えた対応について
 近年、全国各地で水災害が激甚化・頻発化していることを受け、国交省では、気候変動の影響に伴う降雨量や洪水発生頻度を試算し、温暖化により気温が2℃上昇した場合、21世紀末に全国平均で降雨量が1.1倍、また洪水発生頻度が2倍になることを公表した。
 本年4月に国交省が発表した「気候変動を踏まえた治水計画の在り方提言の改訂版」では、気温が4℃上昇した場合には北海道では降雨量が1.4倍になることが示されている。ハード整備の充実・加速化だけでなく、国、自治体、企業・住民等のあらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実効性を高めるため本年4月28日、法的枠組みとして「流域治水関連法案」が参議院本会議で可決し、成立した。
 この法案では、2017年の水防法改正で位置付けられた要配慮者利用施設における避難確保計画の策定や訓練に対する市町村の助言、勧告について規定されている。
 そこで、流域治水関連法の施行により、これまで以上に要配慮者利用施設の利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図っていく必要があると考えるが、今後、具体的にどのような検討を行っていくのか伺う?
【答弁】
 近年、激甚化、頻発化する災害に備え、要配慮者利用施設における円滑かつ迅速な避難体制を確保するためには、施設管理者等による避難確保計画の策定や訓練の実施を支援することが重要と認識している。避難確保計画については、令和2年度末で、札幌市における要配慮者利用施設約2,400施設のうち、約6割で策定済であり、残り4割に対し、計画の作成要領を提供するなど、年度内の計画策定と訓練実施を働きかけている。
 また、今年4月に水防法を含む流域治水関連法が改正されたことにより、施設管理者等は計画策定に加え、計画に基づき行われる訓練の実施状況を市町村長へ報告することが義務化されたことから、今後は、常に避難確保計画の策定や更新、訓練の実施状況などを把握し、助言・勧告を行えるよう、多数に上る施設管理者等と効率的、かつ持続的に情報共有できる体制づくりを進めていく。
6 「札幌市出資団体の在り方に関する基本方針」に基づく行動計画について
 公共団体と民間団体および民間企業との共同出資等によって設立された出資団体は、民間の知恵とノウハウを活用しながら、地域において公益的事業を進める重要な役割を担っていると認識しているが、「集中取組期間」ならびに行動計画期間が終了した、本年度以降についても、「札幌市出資団体の在り方に関する基本方針」に基づき、新たな行動計画を策定の上、引き続き、各指定団体の自立性を高めつつ、本市の出資や人的関与の在り方などの取組を管理することが必要と考える。
 また、現在の新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響についても、昨年来の情勢を見極める必要があり、事業の特性上、影響が少なかった団体やICTなどを活用して影響を少なくとどめられた団体がある一方、観光関連の団体や、貸館施設を有する団体などは、経営を揺るがす影響が出ているところもあるのではないかと懸念している。
 そこで、出資団体における新型コロナウイルス感染症が与える影響をどのように認識し、本年度からの行動計画はどのような方針のもと策定するのか伺う?

【答弁】
 新型コロナウイルス感染症の影響については、一部の出資団体において、貸館収入の減少による経営状況の悪化など大きな影響があるものと認識している。一方、出資団体は、市の施策を補完・代行する目的で札幌市が主体的に設立した団体であることから、引き続き、まちづくりのパートナーとしての重要な役割を担っていただくことが肝要であり、このため、次期行動計画については、感染症の影響による社会経済情勢の変化や各団体の決算状況を踏まえるとともに、団体の自立性を高めつつ、市の施策との連携を進め団体を有効に活用するという方針のもと年内に策定することとしたい。
7 困難を抱える方々への支援について
(1) 子どもの生活実態調査について
 厚生労働省から2018年に公表された子どもの貧困率は13.5%と、依然として子どもの約7人に1人が貧困状態という厳しい状況が示された。生まれ育った家庭の経済状況や環境によって子どもの現在や将来が左右されないよう、より一層手厚い取組が必要と考える。
 また、個々の現状に即した緊急的な対策を行っていくことはもとより、子どもの貧困という多面的で複合的な問題についても、中期的にどのように取り組むのかという視点を欠かすことはできない。
 今年度は次期計画の策定に向けて「子どもの生活実態調査」では実効性のある計画につなげるためには、適切な調査方法の設定が不可欠であり、まずは子育て世帯の生活や意識の変化を的確に把握し分析することが求められる。
 そこで、今年度予定されている実態調査は、どのように実施するのか伺う?
【答弁】
 10月に実施予定のアンケート調査では、子どもと保護者あわせて、1万人以上に対し前回調査した就業や家計、子どもの学習や居場所などに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響など子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた調査項目を想定している。また、支援団体や困難を抱える子どもへのヒアリングをあわせて実施することにより、アンケート調査だけでとらえきれない生活実態を把握していきたいと考えている。

(2) 次期子どもの貧困対策計画策定の進め方について
 次期子どもの貧困対策計画の策定については、本年4月に開催された同じ部会で議論を進める方針が確認されたと聞いているが、子どもと関わりが深い専門家の意見を聞くことや子どもの生活実態調査は、実効性のある計画を策定するうえで大変重要なものと認識している。一方、新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、子どもの環境がより複雑化してきている昨今の状況を踏まえ、現在の子どもの貧困対策計画を進めてきた中で認識した課題や、本市の考え方もしっかりと示し、有識者会議の中で幅広く議論していくことが重要であると考える。
 そこで、今後の計画策定作業の進め方について、どのように考えているのか伺う?
【答弁】
 現在の計画による取組を通じて、困難を抱える子どもや家庭について、社会的孤立や貧困の見えにくさ、困難の複雑化や長期化傾向について課題として再認識したところ。今後、これらの課題を踏まえ、実態調査の対象や項目の検討を行い、子どもの貧困の実態をしっかりと把握したうえで,有識者会議のご意見もうかがいながら策定作業を進めていく。

(3) 困難を抱える若者への支援について
 本市においては、困難を抱える若者の支援として、若者の自立に関する個別相談や自立支援プログラム、高校中退者等に対する学習支援をはじめ、ひきこもり相談窓口での相談対応・家庭訪問等を行っている。多岐にわたる困難を支援していくためには、制度の構築・運用、連携のみならず、子ども・若者の居場所を作る必要があり、新しい支援の形としてさっぽろ青少年女性活動協会が市内のゲストハウスなどで子どもや若者の居場所づくりを行う「いとこんち」を開設し、6月で1年を迎え孤食や不登校の子ども、児童養護施設を退所した若者、若いシングルマザーなどが親戚の家のような関わり方で若者に寄り添う取組の支援が広がっており、専門知識や経験を持つ職員が困りに寄り添い必要な支援を見極め、既存の社会資源の隙間を埋める役割を果たしている。
 そこで、今後、困難を抱える若者に対して、どのように支援していくのか伺う?
【答弁】
 困難を抱える若者にとっては、家庭や学校とは異なる対人関係の中で社会性や豊かな人間性を育んだり困難に直面したときに安心して支援を受けることができる居場所が重要であると認識している。札幌市では、居場所の一つである若者支援施設において、若者同士の仲間づくり、また、進路や人間関係など様々な悩みを持つ若者に歩み寄りながら、社会的自立に向けて支援しているところ。また、「いとこんち」は、家庭生活などに困難を抱える若者が、家庭的な雰囲気の中で過ごすことができるとともに、専門的な支援につなぐことのできる居場所として大切な役割を果たしていると認識している。今後も、若者の抱える様々な困難な状況に応じて、居場所の利用を進めるとともに、地域における関係機関や団体との連携をより一層広めながら、若者の思いに寄り添った支援に取り組んでまいりたい。
8 介護人材の確保について
(1) コロナ禍においての介護分野の人材確保について
 高齢化のさらなる進展が予想されるなか、持続可能な医療・介護保険制度等の運営とサービス提供体制の構築、その担い手である介護人材の安定的な確保が喫緊の課題となっており、本市においては介護職への志望者を増やすための啓発や、今後も増加が見込まれる外国人介護人材が市内の介護現場において円滑に就労・定着できるよう、受入環境の整備や支援を推進する必要があると考える。
 そこで、コロナ禍にあって必要とされる介護人材を確保するためには、実行性のある施策に取り組んでいく必要があると考えるが認識を伺う?
【答弁】
 介護人材の確保については、良質な介護サービスを安定的に提供していくうえで重要な課題であり、コロナ禍であっても継続して取り組む必要があると認識っしている。札幌市では、介護職のイメージアップ啓発、人材確保支援、人材定着支援の3つの視点での取組を実施し、今年度は、中高校生向けの啓発冊子の作成・配布に加え、オンラインを活用した採用力向上セミナー、就職説明会、職場環境改善研修等の実施を予定している。
 また、コロナ禍で離職等を余儀なくされた求職者に対しては、昨年度より実施している「さっぽろ給付金付き再就職支援事業」において、介護職へのキャリア転換を積極的に支援しており、今後も外部環境の変化に適切に対応しながら、介護人材不足の解消につなげていく。

(2) 将来的な介護人材の確保と定着に向けた施策について
 札幌市が市内の事業者を対象に行った「介護保険サービス提供事業者調査」によると、介護サービス事業所の運営に関して、約半数の事業者が「人材の育成が難しい」と回答している。加えて、「介護報酬が実態にそぐわない」、「職員の仕事への意欲を維持するのが難しい」、「職員が定着しにくい」と回答した事業者がいずれも約3割程度となっており、人材の育成や定着についても課題がある。
 既に、札幌市内でも研修会や勉強会などを重ね、介護人材の育成に力を入れる事業者や、業務の役割分担を進めることで、職員一人あたりの負担を軽減する等、職員の仕事に対するモチベーションを維持する取り組みにより、人材が定着している事業者もある。
 そこで、将来の更なる介護需要の増加に向けて、介護を取り巻く環境をどのように認識し今後検討を進めていくのか伺う?
【答弁】
 札幌市では既に生産年齢人口は減少に転じているため、将来の介護人材不足に対しては、人材確保の取組に並行して、介護現場の負担軽減のため、業務効率化の取組が必要であると認識している。このため、介護現場におけるAI・ICT化の支援に加えて、介護職員等の業務を洗い出し、専門性に応じた役割分担を目的に、介護助手といった職種の雇用を進め、地域の高齢者など多様な人材の参入を促す等、業務効率化を進める事業者に対し支援を検討している。具体的には、事業者向けに研修の実施や、札幌市ホームページにおいて、導入に向けたノウハウや好事例情報を掲載するほか、介護助手等の多様な働き方を紹介するPR動画を作成する予定で、今後は、こういった取組の効果を評価し、改善を図りながら継続的に実施することで介護人材の確保につなげていく。
9 ヤングケアラーへの支援に向けた今後の取組について
 厚生労働省は、昨年12月から今年1月にかけて全国の市町村に向けて「ヤングケアラーに関する調査」を実施し、その結果として、中学生では約17人に1人、高校生では約24人に1人が「世話をしている家族がいる」ことを公表し、本年3月には、厚生労働省と文部科学省がヤングケアラーへの支援のための連携プロジェクトチームを立ち上げた。
 このプロジェクトチームは、支援を必要とするヤングケアラーを早期に発見し、支援につなげるため、各地方公共団体の福祉部局、介護部局、医療部局及び教育部局がより連携した取組を推進するための方策を検討するもので、今年5月17日に今後の支援策をまとめた報告書では、ヤングケアラーに関する福祉や教育機関の関係者などへの研修の推進や、ケアラーからの悩み相談を実施する地方自治体の事業支援等を検討することや、他機関連携による支援のモデル事業を実施することなどが示されるなど、国の取組が急速に進められている。
 本市においては、子どもの最善の利益を実現するための子どもの権利条例を制定しているが、ヤングケアラーの問題は子どもの権利擁護の観点からも喫緊の問題であり速やかに支援に取り組むべきと考える。
 そこで、国が公表したヤングケアラーの調査結果と支援策をまとめた報告書について、どのように認識し、支援していくためにどのように取り組んでいくのか伺う?
【答弁】
 国が行った実態調査では、子ども本人にヤングケアラーという自覚がない者が多く、子どもらしい生活が送れないばかりか、誰にも相談できずに自分一人で抱えている状況がうかがえる。子どもたちが、自分らしく伸び伸びと育っていくためには、行政や学校を始めとした関係機関・団体等が連携してヤングケアラーを早期発見し、適切な支援につなげていくことが重要と改めて認識している。ヤングケアラーに関する情報共有や実態把握については、昨年8月から保健福祉局、子ども未来局、教育委員会などの関係部局が連携を図っており、国の実態調査結果を受けて、本年秋の実態調査の実施に向けて具体的な検討を行っている。国のプロジェクトチームの報告書では、ヤングケアラーの支援に向けて、早期発見・把握、支援策の推進、社会的認知度の向上の3つを施策の柱としており、札幌市においても、実態調査結果と本市の実状を踏まえた対策を早急に検討し支援に取り組んでいく。
10 性的マイノリティに関する取組について
 札幌市は、政令指定都市の中でもいち早くパートナーシップ宣誓制度を4年前に導入し、併せて、LGBTに関する企業での取組を推進することを目的として、LGBTフレンドリー指標制度を同時期に導入した。この2つの制度により、市民に自分自身の身近に性的マイノリティが存在することを認識してもらう認知度の向上、また、行政手続き上の柔軟な対応が一定程度実現し性的マイノリティ当事者の方々にも好意的に受け止めて頂いていると認識している。
 そこで、性的マイノリティに関する取組について、今後どのように進めていくのか伺う?
【答弁】
 性的マイノリティの方々が、安心して暮らせるまちになるためには、広く社会全体の理解を深めていくことが大変重要と認識している。札幌市では、平成29年度のパートナーシップ宣誓制度の導入を契機として、当事者の方を招いて経験を語ってもらう市民向けのセミナーや出前講座の開催など、市民の理解促進に向けた啓発を行ってきた。今後は、これまでの取組に加え、経済団体等との連携を図り、当事者やその支援者の活動に企業等の参画を促すことで理解を更に広めていくなど、性的マイノリティの方々の生きづらさの解消に向けて積極的に取り組んでいく。
11 札幌の観光施策について
(1) 新たな観光施策について
 我が会派では昨年の第3回定例会において、コロナ禍における観光振興の在り方として、新たな観光ニーズとしてのワーケーションについて市の考えを伺い、余暇を楽しみつつ仕事を行うワーケーションは、滞在期間の長期化や観光需要の平準化といった効果を生み出す可能性を持っており、利用者のニーズ把握や快適に働ける環境の整備を進めるなど検討を進めていくとの答弁があった。
 今後ワクチン接種が進むなど、全国的に新型コロナウイルス感染症が落ち着き、道内外からの誘客を推進できるタイミングにおいては、出遅れることのないよう、しっかりと準備を進めていくことが重要である。
 そこで、ワーケーションやブレジャー等の新たな観光需要への認識と、今後どのように取組を進めていくのか伺う?
【答弁】
 札幌は、高い都市機能を備えながら豊かな自然が近接し、四季を通じたアクティビティや食、観光資源に恵まれていることから、ワーケーションやブレジャーの目的地として高い可能性を持つと認識している。そこで、昨年度、先進的な自治体の取組や企業の動向等を調査するとともに、市内宿泊施設のワーケーション環境の改善を進める設備整備等への支援を進めてきた。今後は、札幌におけるワーケーション等の魅力や、充実した環境を広く発信するとともに、観光振興のみならず企業や人材の誘致に活かしている自治体の例も参考にしながら、首都圏の企業に働きかけるなど積極的に取り組んでいく。

(2) 定山渓地区への支援について
 今年度、観光庁が募集した「既存観光拠点の再生・高付加価値化」に関する補助事業において、札幌市が定山渓観光協会の協力をもとに作成した定山渓地区を対象とする計画が採択され、現在、各宿泊事業者が補助申請を行うべく準備が進められている。
 この国の補助制度には老朽化施設の解体や宿泊施設の高付加価値化など、今まで手が付けにくかった事業へ着手できる内容となっており、定山渓地区が大きく変わることが可能になると期待している。さらに、経済産業省の「事業再構築補助金」を活用して、アドベンチャーツーリズムの拠点整備など、コロナ禍においても家族でキャンプやワーケーションを楽しめるエリアとして申請を行う予定の宿泊事業者もあり、新たな魅力づくりにチャレンジする動きも出てきている。定山渓観光協会では新型コロナウイルスワクチンの職域接種も予定しており、8月末には完了する見通しであることや、今までの感染症対策の徹底ぶりを考慮し、クーポン事業の開始や再開は早期に実施すべきと考える。
 そこで、国の補助制度の状況も鑑み、今後、どのように支援をしていくのか伺う?
【答弁】
 定山渓は札幌の重要な観光地であり、市民はもとより国内外から多くのお客様をお迎えしてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けているものと認識している。 これまでも、市独自の宿泊促進キャンペーンのほか、定山渓観光協会が実施する宿泊促進や感染拡大防止の取組への支援を行いながら老朽化した観光関連施設の整備など地域課題への対応について、地域と意見交換を重ねながら進めてきた。今後も、地域の事業継続に資する支援を十分に行いつつ、感染状況を注視しながら集客促進策を機動的に進めるとともに、さらに、景観改善や富裕層対応など温泉地の魅力を高める施設整備について、国の事業の活用も図りながら進めていく。
12 教員を取り巻く課題の解決に向けた取組について
 2019年1月に発表した文部科学省の調査によると、小学校教員の約3割、中学校教員の6割が月に80時間以上の時間外労働をしているというデータがある。学習指導要領の改訂などに伴い、既存の業務の見直しが行われず、新たな業務が増えていく環境下において、新型コロナウイルス感染症が拡大したことで学校現場には大きな影響が出ている。
 子どもが大きな不安を抱えるときには、一人一人の心のサインに気付き、不安に寄り添った対応が求められるが、教員はコロナ以前から長時間労働であり、加えてコロナ禍における行事の見直し等、例年にない学校対応を迫られており、教員がきめ細かく子どもと向き合い、寄り添って時間を確保することができない状況が懸念される。
 本市教育委員会は、「札幌市立学校における働き方改革に向けた指針」を策定し、指針を踏まえ市教育委員会内にワーキンググループを設置した他、スクールロイヤーの配置、夏季休校日の設定、転送電話の設置など、教員の職場環境の向上に取り組んできているが、2020年度の時間外勤務は依然として月約40時間であり、長時間労働の解消に向けて、教職員の働き方改革、業務改善を進めていくことが急務と考える。
 そこで、教員を取り巻く様々な課題に対して、どのように取り組むのか伺う?
【答弁】
 教育委員会としては、近年の社会状況の変化に加え、新型コロナウイルス感染症の対応に伴い、教員の負担が増していることは課題であり、教員を目指す人材の確保等にも影響を及ぼす恐れがあると認識している。そのため、教員の負担軽減となる好事例の共有や、ICTを活用した校務の効率化などの働き方改革を進めているほか、大学と連携して学生に早い段階から教職の魅力を伝える取組なども始めたところ。今後も様々な変化を業務の見直しを図るきっかけと捉え、教育委員会と学校が一体となって課題の解決に取り組み、教員がゆとりを持って子どもたちと向き合える環境づくりに努めていく。